先週までは週末になれば雨、週中もあまり晴れる日がないという状況だったが、今週は久しぶりに快晴の日が続く。よって、ウッドチップ馬場も日増しに表面が乾いて、中身に水分が残った状態という、最も走りやすい馬場へと変化していった。
気温に関しては、調教開始時間が7時になったことで、それ以前がすごく寒く、陽が昇ると暑いという状態。しかし、午後からは秋というよりも冬に近い日差しで、夜はまた一気に冷え込む。これから先は脂肪がたまりやすい馬にとって苦労する時期といってよいだろう。
【坂路/4F51.9秒】
1日。一番時計は武蔵野S(11月11日・東京ダート1600m)の出走を予定している
モーニン(栗東・石坂正厩舎)の4F48.2秒。追い切りで動くタイプであることは間違いないが、さすがにこの時計は自己ベスト更新。馬の状態が良いこともあるだろうが、それ以上に冒頭に説明した走りやすいウッドチップの馬場状態も関係しているように思う。
2日。一番時計は2歳新馬の
ダノンフォーチュン(栗東・大久保龍志厩舎)の4F50.6秒。4F50秒台はこの1頭だったが、全体的な時計の出方を見ていると、前日とあまり変わらないと判断してよいだろう。
先週の馬場差は26日が「+0.1秒」。先週末も大雨が降っているが、今週の追い切りに関してはその影響は全くない。むしろ全体的な時計の出方を見ると、時計の出やすい馬場なので、今週の馬場差は10月31日、11月1日、2日とも『-0.3秒』で記録している。
【CW/5F66.5秒】
1日。朝一番の追い切りで6F時計があまり速くなかったので、馬場状態に関して、どの程度なのか手探りだったが、ラスト1Fは11秒台が出ていたし、1回目のハロー明け以降は全体時計も速くなる傾向。時間が経てば経つほど時計が出やすくなっている印象なので、馬場状態に関してはかなり良い。
2日。京都芝1600mの新馬戦を快勝した
カツジ(栗東・池添兼雄厩舎)が次走予定のデイリー杯2歳S(11月11日・京都芝1600m)に向けた1週前追い切り。
メイショウアドリアとの併せ馬だったが、これを3馬身後ろから見て、じっくりと追走。常に前を交わせる手応えだったが、最後の最後まで我慢させて、ラスト1F標識で一気の伸び。一瞬で3馬身ほど相手を突き放して先着のゴール。
スピードに優れた競走馬であることは間違いないが、キャリアを積むごとに無駄のない走りを学習できそうなタイプ。いきなりの重賞でも十分通用する器であることは間違いないが、今後もっと大きな舞台での活躍も視野に入れていくと、今回のような追い切りができたことは大きな意味があるはず。
先週の26日の馬場差は「-0.3秒」。Cコースに関しては、坂路よりも26日の馬場状態が走りやすかったため、基準時計よりも速い馬場だった。今週もそれとあまり変わりはない。それでも今週の方が少し時計が出やすいかなといったところがあるので、今週の馬場差は10月31日、11月1日、2日とも『-0.5秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
ウッドチップ馬場が走りやすかったこともあり、今週の芝馬場は追い切りがほとんどなかった。馬場差を検討するにはサンプルも少ないので、今週の馬場差は10月31日、11月1日、2日とも『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場での追い切り頭数もかなり落ち着いた。馬場状態に関しては、いつもとあまり変わらない。馬場差は10月31日、11月1日、2日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)