「NHKマイルC・G1」(10日、東京)
願った通りの好枠ゲット。どう考えても人気になりそうにない
シャチだが、最内1枠1番がわずかなりとも背中を押してくれるかもしれない。今回がG1初騎乗となる4年目・木幡育が武者震いする。「いい枠ですね。ここならロスなく立ち回って、しまいを生かせると思います」とイメージを膨らませた。
相棒は知る人ぞ知る“謎の馬”の息子だ。母は4歳7月を最後に、なぜか10年もの長い間レースに出走しなかった
ソウタツ。「14歳未勝利馬」の存在は、競馬界のミステリーとして一部マニアに面白がられていたが、現役馬でありながら何と、放牧中に種付けされた事実が発覚。突如として登録を抹消されてしまった-。
引退の先延ばしは馬主資格保持のためと言われているが、この件を掘り下げるのは別の機会としよう。ともかく、勝てないままターフを去った母の分まで、G1の舞台に立つ活躍ぶりを見せた孝行息子に陣営は感慨深げだ。小桧山師は「
ソウタツの子どもで、よくここまで来てくれた」と目を細める。
当然のことながら、これまで戦ってきた相手とはレベルが違う。指揮官も「全てがうまくいって掲示板くらいかな」と大風呂敷は広げないが、若き鞍上はチャンスとばかりに腕をぶす。
「小桧山先生にはたくさん乗せてもらって勝っているイメージがありますし、騎乗依頼を頂けたことに感謝しています。G1の雰囲気を感じながら思い切って乗りたい」。
木幡育×小桧山厩舎は勝率18・5%の
ハイアベレージで、単勝回収率は驚異の1142・0%。大胆騎乗で見せ場をつくる構えだ。