「金鯱賞・G2」(14日、中京)
1日に開業した辻野泰之調教師(39)=栗東=が、師匠の角居勝彦元調教師から引き継いだ
キセキで、史上2番目の速さとなる重賞初制覇を狙う。雰囲気は良好。3年以上勝ち星から遠ざかっている17年菊花賞馬の復活Vで、快挙達成となるか。
17年の菊花賞以降、19連敗中の
キセキを新たに管理するのは1日に開業した辻野師。2月末に勇退した師匠でもある角居師の思いを受け継いで偉業に挑む。「デビュー前から見たり、乗ったりしていましたから、管理馬として出走させることについては、とても感慨深いです。今週は感触を確かめる程度でしたが、しっかりと動けていました。息の入りも良かったです」と手応えをつかんでいた。
指揮官は馬に合わせた調教
スタイル。角居イズムを継承する一方で、新たな色も加えていく。鞍上には菊花賞で栄冠に導いたM・デムーロ(18年宝塚記念8着以来)を迎えた。さらに、前走の有馬記念でクロス鼻革を装着して臨んだが、12着に終わったことで元に戻した。そして7歳馬の再生を目指して選んだ舞台は、17年夏に500万下(現・1勝クラス)を快勝して飛躍の礎となった中京芝2000メートル。いい時のイメージを大切にしたい。そんな思いがにじむ。
先週日曜の中山12Rを
ロイヤルバローズで制し、出走馬2頭目で初勝利。今回、開業14日目での重賞初制覇なら、75年のクイーンSを開業5日目で制した諏訪富三元調教師に次ぐ史上2位の速さとなる。
サートゥルナーリアが20年の金鯱賞を制してから1年。角居厩舎最後のJRA重賞制覇となったステージで、覚悟を持ってたすきをつないでいく。