先週は、2頭の新種牡馬がスタッドインした。18年から21年まで東京大賞典を4連覇し、今年も
アンタレスSを差し切り、8つ目のタイトルを獲得した
オメガパフューム(牡7歳)が10日、繋養先のレックススタッドに到着した。
オメガパフュームは、17年千葉サラブレッドセールで取引され、3歳1月にデビュー。新馬、平場を連勝し、加古川特別を勝って挑んだジャパンダートダービーで、
ルヴァンスレーヴに迫る2着に健闘。その後、
シリウスSで重賞初制覇を飾った。JBCクラシック2着、チャンピオンズC5着の後、東京大賞典で
ゴールドドリームらを破り、G1初制覇を飾ると、大井2000メートルを最も得意としながら、あらゆる舞台で活躍した。18年から5年連続重賞制覇を成し遂げ、まさに無事是名馬と言えるだろう。
到着まもなく、報道陣に向けて撮影時間を設けて頂いたが、堂々と振る舞い、あっという間に立ちポーズを決めてくれた。社台SSからレックススタッドに移動した
レッドファルクスとともに、スウェプトオーヴァーボードの貴重な後継種牡馬となる。種付料は、近日中に発表される。
そして、「ミッドサマーダービー」と称されるト
ラヴァーズS(米G1)などG12勝の
ウィルテイクチャージ(牡12歳)が9日、繋養先のダーレー・
ジャパンスタリオン
コンプレックスに到着した。
ウィルテイクチャージは13年、三冠を戦い抜いた後に大変身。ト
ラヴァーズSには、ケンタッキーダービーを制した
オーブ、ベルモントSを圧勝した
パレスマリス、ハスケル招待SなどG12勝のヴェラザーノら豪華メンバーが出走。三冠の雪辱を果たす形で、G1初制覇を飾った。続くG2も勝ち、連勝で挑んだBCクラシックは、ムーチョ
マッチョマンとハナ差の大接戦を演じた。ク
ラークHで2つ目のG1勝ちを収め、13年エクリプス賞3歳牡馬チャンピオンに輝いた。
15年から種牡馬となり、ゼアゴーズ
ハーヴァードが、5月に行われた
ハリウッドゴールドCで産駒初のG1制覇を飾るなど、5頭が重賞ウィナーとなっている。日本でも、JRAで5頭がデビューし、4頭が勝ち上がっている。現役では、
フランスゴデイナ(牡4歳、栗東・森)が2歳で2勝し、2勝クラスで2着惜敗があり、オープン入りも近いだろう。
ウィルテイクチャージは、ロングスパートが利き、エンジンが掛かった時の迫力ある末脚が、現役時の特徴だった。サンデーサイレンスの血を入れることで、瞬発力を引き出す可能性もあり、日本でのさらなる産駒の活躍が期待できる。導入が報じられた後、生産者からの問い合わせが多く、注目度の高さを物語っている。こちらも、種付料は近日中に発表される。(競馬ライター)