「有馬記念・G1」(25日、中山)
天皇賞・秋に続く古馬撃破で世代交代を告げたい
イクイノックスは21日、美浦Wで3頭縦列の2番手から発進。鞍上との折り合いはピタリとつき、道中はリズム良く追走する。直線は
ハーメティキスト(6歳障害未勝利)と
ゴールデンシロップ(4歳オープン)の間に挟まれる形を取ったが、最後は馬なりのまま抜け出して前者に半馬身、後者に1馬身先着のフィニッシュ。懸命に追われる僚馬2頭との手応えの差は歴然だった。相変わらず反応面やアクションは申し分ないもの。馬体にも迫力が増し、大一番へ向けて一点の曇りもない態勢だ。以下、木村哲也調教師と一問一答。
◇ ◇
-最終追い切りは美浦Wで3頭併せ。
「スタッフには『いつも通りで』と指示を出しました。具体的には『道中は馬の後ろで力むことなく我慢して、最後に
ゴーサインを出した時にしっかり反応して能動的に動けるか』という指示。予定通り。うまくいったと思います」
-中間の過程は。
「前走後も大きなトラブルなく。ノーザン
ファーム(天栄)の方にいったんリフレッシュ放牧に出しました」
-豪華メンバーがそろった有馬記念。気持ちが高まっているのでは。
「高まりますね。すごいメンバーがそろっていて、そこに何とか加わらせていただき、ありがたいなという気持ち。高まりますが、基本的にやることは一緒。そういう心掛けで
イクイノックスと毎日接しています」
-中山コースは皐月賞(2着)以来となる。
「中山は一度経験しています。着順は残念でしたが、勝った馬(同厩の
ジオグリフ)が素晴らしい馬だったので仕方ない。当時の
イクイノックスは全力を出し切ってくれたし、中山で持っているモノがそがれたとは思っていません」
-今回、結果を出すためのポイントは。
「スタートを元気良く出て行く
ポジティブさであるとか、それでいて道中しっかり指示通りにコントロールできるとか。最後の『頑張りましょう』という時に、勇気を持ってラストスパートする。(それができるように)当日、いい状態で送り出すのが大事になる」
-ファンにひと言。
「ものすごく多くのファンに支持を頂き、自分やスタッフのエネルギー源になっています。成果を上げてこそ仕事を成し遂げたと言えると思うので、自分の仕事と責任を果たし、応援してくださるファンに喜んでもらいたい。そういう思いでいます」
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天皇賞・秋と同じように美浦Wで3頭併せの真ん中を選択。1週前にルメールがまたがりスイッチを入れ、当週は助手が騎乗という、前走時とほぼ同様のシチュエーションを組んだ。相変わらず反応面やアクションは申し分なし。トモの張りが増し、その影響で馬体に迫力が出てきたように感じる。
前日(20日)にデビュー以来初の坂路2本乗り(1本目4F70秒1、2本目4F70秒6)というメニューを組み込んだ。木村師は「(前走時の)10月ごろより坂路の馬場状態が良くなっているから」とけむに巻くが、一歩踏み込んだ調整ができるようになったのは、“体質強化”が根底にあるとみていい。