息子の勝助手(左)、孫の比呂さん(右)に囲まれ笑顔を見せる大江原師
28日をもって、橋田満(70)、池添兼雄(70)、南井克巳(70)、五十嵐忠男(70)、大江原哲(70)の調教師5人がトレーナー人生に幕を下ろす。指揮を執るラストウイークを迎え、それぞれが胸中を語った。
半世紀以上を捧げたホースマン人生に悔いはない。「早いね。楽しかったな」。大江原哲調教師(70)=美浦=は穏やかな表情を浮かべた。騎手時代は中山大障害3勝など通算194勝(重賞6勝)を挙げ、調教師としては09年ダービー卿CT(
タケミカヅチ)、14年新潟2歳S(
ミュゼスルタン)などを制した。
トレーナーとしてはJRA通算300勝まで残り1勝に迫っている。「騎手を辞める時の方が力が入っていたな。それで最後のレースは焦って乗って2着だった。だから今回の最終レースには、ジョッキーに“焦るな”と言っておきます」と冗談交じりに語った。日曜中山12Rの
エクセレントランが最後の出走馬となる。
長男の勝さんは蛯名正厩舎の調教助手で、その娘の比呂さんはJRA競馬学校に入り、騎手を目指している。「比呂は無事なら来年3月にデビューするから。楽しみだね。その時は競馬場に来るよ」。厩舎実習中の愛孫に花束を渡され、満面の笑みが咲いていた。(デイリースポーツ・刀根善郎)