28日をもって、橋田満(70)、池添兼雄(70)、南井克巳(70)、五十嵐忠男(70)、大江原哲(70)の調教師5人がトレーナー人生に幕を下ろす。指揮を執るラストウイークを迎え、それぞれが胸中を語った。
1974年の騎手デビューから49年間にわたり競馬に携わってきた池添兼師がいよいよ定年を迎える。「この時が来たなという感じですね。悔いのない調教師生活を送らせてもらいました。やめても朝は早く目が覚めると思うし、そういうのがなくなるまで時間がかかるんじゃないかな」。心残りがないのは全力で駆け抜けてきたからこそ。表情は晴れ晴れとしている。
騎手引退後は92年から鶴留明雄厩舎(栗東)での調教助手を経て97年に調教師免許を取得。99年に開業すると、同年の阪神3歳牝馬S(現・阪神JF)を
ヤマカツスズランで制した。「その後も重賞を勝ってくれたから良かったけど、G1を勝ったので手元に置いて大事にしたいと思ったのが結果、アダになっちゃったね。今のように牧場とかに放牧へ出していたら骨折しなかったかもしれない」。思い入れのある1頭はうれしさとともに自らに教訓を与えてくれた存在でもあった。
また息子の謙一、学師、弟子の松山ら人も育てた。「ジョッキーには、けがをしないで頑張ってほしい。学は若いからこれからいろいろな経験できると思うけど、調教師としての俺がやめる前にG1を勝ってくれて良かったわ。みんなを応援するのもやめてからの楽しみ」と目を輝かせる。迎える最終週は阪急杯の
ショウナンアレスなど11鞍。熱い思いを胸に週末を迎える。