◆第30回チューリップ賞・G2(3月4日、阪神競馬場・芝1600メートル、良)
桜花賞
トライアルの第30回チューリップ賞・G2(阪神)は
モズメイメイが逃げ粘り、重賞初タイトルを手にした。武豊騎手は福永調教師の騎手引退式が行われた日に、競馬界のレジェンドとして存在感を見せつけた。2着
コナコースト(鮫島駿)、3着
ペリファーニア(横山武)までが桜花賞・G1(4月9日、阪神)の優先出走権を獲得した。
かわいい後輩に惜別の重賞Vを届けた。競馬界を引っ張り続けてきた武豊が
モズメイメイを逃げ切り勝ちに導き、福永調教師の騎手引退式が行われた阪神で存在感を示した。新トレーナーとの思い出を「全くないですね」と“ジャブ”で笑いを誘ったレジェンド。「今日の勝利は(福永調教師の乗った)誘導馬が良かったですね。開業したら乗せてください」と続け、いたずらっぽく笑った。
さすがの手綱さばきが光った。好スタートを決めると、他馬の出方を見ながらハナを切った。前半3ハロン35秒2のスローペースに落とすと、4角からジワジワとリードを広げ、ラスト1ハロンから左ムチでパートナーを鼓舞。後続の猛追を鼻差しのいだ。「行く馬がいれば行かせようと思ったが、(スタートが)速かったので切り替えました。こういう軽い馬場は合っていますし、いいペースで走れました」と白い歯がこぼれた。
「権利を取れたら、と思っていたがうまく乗ってくれました」と音無調教師。桜花賞に向かうことは明言したが、武豊はシンザン記念を制した
ライトクオンタムとのコンビが決まっているため、本番では別の騎手が手綱を執る。「阪神の1600メートルで2連勝。間違いなくいいと思いますし、いいレースをしてくれると思います」と武豊。エールを送りつつ、桜の舞台での“ラ
イバル”を頭に刻み込んだ。(戸田 和彦)
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モズメイメイ 父
リアルインパクト、母インラグジュアリー(父
フランケル)。栗東・音無秀孝厩舎所属の牝3歳。北海道千歳市・社台
ファームの生産。通算4戦3勝。総獲得賞金は7371万7000円。重賞初勝利。馬主は(株)キャピタル・システム。