大一番を制したイロゴトシとガッツポーズをする黒岩(撮影・園田高夫)
「中山グランドジャンプ・JG1」(15日、中山)
8年ぶりに絶対王者不在で行われた大一番で、圧巻の走りを見せたのはナント九州産馬。障害転向わずか4戦目の6番人気
イロゴトシが、勝負どころで一気に仕掛けると、最後の直線は独壇場。史上最少キャリアも何のその、18年
オジュウチョウサンの2秒4差を更新する、3秒1差での大差勝ちとなった。
九州産馬初のG1Vへ導いた黒岩は、自身もデビュー22年目にして初の
ビッグタイトル獲得。「実感が湧かない。一晩寝たら湧くと思うので、早く寝たい」と周囲を笑わせた。「ポテンシャルは人気馬と遜色ない。強気に乗ろうと」。鞍上の期待に応えるかのように相棒は躍動し、飛越にミスらしいミスは皆無。早めの合図にもしっかりと呼応すると、最終3角で先頭に立ち、あとは突き放すだけだった。「このキャリアでこのパフォーマンス。まだ伸びしろもある」と輝く未来を楽しみにする。
牧田師にとってもうれしいG1初Vとなった。「想像以上の走り。状態の良さは感じていました。スタートしていい位置が取れて、何より騎手がこの馬のことをよく分かってくれていたから」と好騎乗をたたえる。
今年1月の障害デビューから、わずか3カ月でハードル界の頂点へ-。一昨年に北九州記念を制した
ヨカヨカと同じ本田土寿牧場生産の
シンデレラボーイが、ここから快進撃を続けていく。