2月上旬に北海道の各牧場で種牡馬展示会が行われ、注目の新種牡馬2頭がお披露目された。
3日にダーレー
ジャパンスタリオン
コンプレックスで行われた展示会に登場したのは、ダートG1・6勝を挙げた
レモンポップだ。現役時代は1400、1600、1800メートルのG1でVをつかむ幅広い活躍。23、24年のチャンピオンズCで連覇を達成しているが、短距離馬の印象が強かった。管理していた田中博師は「1400メートル以下のス
プリント戦でパフォーマンスが上がる。そのイメージは今でもあります」と語っている。
レモンポップにとっては限界の距離だったのかもしれない1800メートルでG1・2勝を挙げており、そのポテンシャルは計り知れないものがある。
当然、種牡馬としての期待も大きい。同師は「しっかりとした血統背景があって
スピードがある。あとは馬が賢いし、本当に性格がいいんですよね。ひと言で真面目。それと顔つきもいい。馬体もいいけど、この子は顔がいいんですよ。人との関係性においても適度な距離感を自分でつくっていたし、プロフェッショナルな馬です。そういう部分も子どもに伝えてほしいですし、たくましい馬体の子が出てくれるんじゃないかと思っています」と分析する。記者はものすごいダートのス
プリンターを輩出すると思っている。非常に楽しみだ。
昨年の年度代表馬
ドウデュースは、4日に社台スタリオン
ステーションで行われた展示会で姿を見せた。現役時代は2〜5歳まで毎年G1を制覇。ダービーをレースレコードで制し、現役最後のレースとなった
ジャパンCでは
オーギュストロダン、
ゴリアットといった世界の強豪を力でねじ伏せた。ここぞという時に強さを発揮したスターホースだ。
初年度の種付け料は1000万円で、この値段が期待の大きさとして表れている。主戦を務めた武豊は「間違いないです。種牡馬として求められるものを全て持っているような感じはします。仕上がりが早くて、
スピードがあり、持久力もありますからね」と期待した上で、「中、長距離だけではなく、短距離もいけそうだし、あとはダートでも走りそうですよね」とべた褒めだ。芝の瞬発力にたけたタイプだったが、パワフルな馬体で
パワーもある。記者は意外にもダートで大物を出しそうな気がしている。
昨年に引退した芝とダートの
チャンピオンホースの新たなスタート。2頭とも強いだけではなく、個性的な一面があった。それだけに、順調なら28年にデビューする産駒がどんな馬なのか気になるし、興味は尽きない。(デイリースポーツ・小林正明)