歴史の扉が開いた。JRA初の女性トレーナーとなった前川恭子調教師(47)=栗東=が5日、厩舎を開業させた。激動の一日に充実の汗を拭いながら、今後の抱負、競馬界への思いを口にした。また、元G1ジョッキーの田中勝春調教師(54)=美浦、秋山真一郎調教師(46)=栗東=も新たな船出を飾った。
新たな服を身にまとって田中勝師が第一歩を踏み出した。ベースは紺で袖はピンク。「紺は宗像厩舎、ピンクは石毛厩舎のカラーだったから」と説明。引退した2人の調教師への
リスペクトからこの配色となった。
背中には大きく“HIGH TAIL”の文字が
プリント。馬は元気なときにしっぽを高く上げる。人も馬も元気に、という意味が込められている。「明るい厩舎がいい。スタッフが笑顔で仕事ができるようにしたいよね」と笑顔を見せた。
ジョッキーとしてJRA通算1812勝(うちG1・2勝を含む重賞51勝)を挙げた実績の持ち主。ただ、そこにおごりはない。「ずっと騎手をしていたし、厩舎のことは分からないところがあるからね。ゼロからのスタート、いやマイナスからのスタートだよ」と気を引き締める。これまでのキャリアは関係ない。
今週は土曜中山12Rにデイジーが出走予定。具体的な目標は「まずは1勝だね」と前を向く。自分のできることをやって前へ進むだけ。調教師の“カッチー・
スマイル”を見られる日をファンは待ち望んでいる。