岩田康のステッキに応え、末脚を伸ばすロングラン(中央)=撮影・石湯恒介
「マイラーズC・G2」(27日、京都)
マイル界に新星誕生だ。5番人気の
ロングランが初のマイル戦起用で小倉大賞典に続く重賞連勝。今までは後方一気がこの馬の
スタイルだったが、楽に中団から追走すると、十分な手応えを残したまま直線へ。岩田康の左ステッキでギアを上げ、馬群を割ってそのまま突き抜けた。
鞍上とは23年11月アンドロメダS以来となるタッグ。岩田康は「馬の具合が本当に良く、良馬場でできたことで、この切れに。前に乗った時はトモが緩かったですが、今回は踏み込みが良かったです」と変貌ぶりに目を細める。そして「今年も重賞を勝てて良かったなという安心感もあります」と、自身9年連続となるタイトルゲットに胸をなで下ろした。
キャリア26戦目にして今回が初マイルだったが、いきなりその適性を示した。和田勇師は「二千だと必ず残り150くらいで止まって、千八でもポジションを取ると二千よりマシだけど最後に止まる。何回も同じ失敗を繰り返すのなら、と思って」と参戦の理由を説明。速い上がりにも対応し、レースぶりの幅も大きく広がる一戦だった。
7歳にして重賞連勝。「今が絶頂期」と岩田康が話せば、和田勇師も「年を重ねて結構パンとしてきた」と馬名通りの活躍に笑みを浮かべる。指揮官は次走の名言を避けたが、G3、G2とくれば、おのずとその先が視界に入ってくる。本格化を告げた7歳騸馬が、さらなるステージへと駆け抜ける。