「オークス・G1」(25日、東京)
道営競馬から記者人生が始まった私。その後、縁あって栗東トレセンで長く働くのだが、1年目に担当させてもらったのが当時、新規開業した石坂正厩舎だった。
その頃、道営時代の先輩から「知り合いの馬主さんが中央に馬を預けたいらしい。若くて熱心な先生が希望」との依頼があり、私は石坂先生に声をかけた。すると…当時は予想外だったが、今振り返ればいかにも先生らしい答えだった。
「ワシはサンデーの血が欲しいんよ。サンデーの子なら何でも預かるよ」。
ジェンティルドンナに
ヴァーミリアン、
アストンマーチャン…と、その後の活躍はご存じの通り。今年のオークスには祖母に
ブルーメンブラットを持つ
ウィルサヴァイブも参戦するが、私のなかでは
サタデーサンライズの母サンデーサンライズが思い出深い一頭だ。
何せあのサンデーの子とあって、先生の期待値はかなりのもの。POG取材でもこの馬を上位に評価していた。
コロンとした体形で短距離型だったが、芝とダートで4勝を挙げたのは立派。その娘が石坂公一厩舎からデビューして、G1の舞台に出られるチャンスがあると思うと非常に感慨深い。あまり血統に触れないコラムで申し訳ないが、そこは“温故血新”ということでご勘弁を。名伯楽が渇望した母父サンデーの底力に期待して、まずは抽選突破を願う。