単走で上々の仕上がりを見せたミックファイア(撮影・村上英明)
失地回復を期し、一昨年の無敗3冠馬の
ミックファイア(牡5歳、大井・渡辺和)が28日、帝王賞・Jpn1(7月2日・大井)へ向けて、地元・大井競馬場で最終リハを行った。
単走で終始、軽快なフットワークを繰り出しながら直線へ。馬場の4分どころで、鞍上の数発の見せムチに瞬時に反応を返すと、そのまま一直線にゴール板を駆け抜けた。5F62秒7-49秒3-36秒5の好タイムに、手綱を取った三野宮助手が「そんなに速い感覚はなかったけど、反応も良かったし、いいんじゃないかな」と笑みを浮かべれば、渡辺和師も「単走を思えば時計も十分。いい追い切りだった」と、引き上げてきた愛馬を見つめて目を細めた。
デビューから7連勝を達成し“最後”の3冠馬(昨年の大規模な競走体系改革で、3冠全てにJRAを含め全国からの参戦が可能)となったが、その年のダービー
グランプリ(盛岡)を最後に6連敗中。全てG1、Jpn1挑戦とはいえ、3走前の南部杯4着が最高と馬券にも絡めていない。前走に予定していた、かしわ記念(船橋)では、最終リハ直後に馬房で左後肢をひねるアク
シデントで回避。トレーナーも「出遅れもあったり、ここまでなかなか自分の競馬ができていないのも事実」と歯がゆいばかり。
そのアク
シデントも幸い軽傷。目標をここへ切り替えてすぐにトレーニングを再開した。「さすがに万全とまではいかないけど、順調に調整はできてきたし、仕上がり自体はいいと思う。この時季は(持病の)ツメの心配もないから、思い通りの調整ができている」とうなずいた。
一昨年の東京大賞典以来になる地元での大一番に「今回も相手は強いけど、まずはスタートを決めて、積極的な競馬ができれば」とまだまだ白旗を揚げるつもりはない。強い
ミックの復活を待ちたい。