3年目の小林美駒騎手(20)=美浦・鈴木伸厩舎=が、北の大地で躍動している。先週は函館で4勝の固め勝ち。函館リーディングでは、トップの武豊から3勝差の3位に浮上した。飛躍の要因を「逃げの戦法ができているかなと思います。先々週は逃げの選択がかみ合っていませんでした。それを先週につなげられたのは、アピールポイントになったかなと思います」と分析する。
今年は先週までで18勝。早くも昨年の19勝に並ぶ勢いで、女性騎手で最多の勝ち星だ。意識するのは積極性。「減量もあるので、そこをうまく生かせる競馬を求められている」と
スタイルを確立しつつある。実際、18勝のうち11勝が逃げ切り。「そういう戦法の馬を依頼されることが多いですし、うまく印象づけられたら」と意欲を燃やす。
馬だけでなく、自身も“滞在効果”を実感。追い切り日以外も調教にまたがることが増え、より騎乗馬に対する理解が深まっている。函館で挙げた6勝のうち3勝は関西馬で、人脈の広がりも利点だ。まだまだ続く北海道シリーズに向けて「頑張ります」と明るく笑った20歳。フレッシュな
パワーで、夏を駆け抜ける。(水納 愛美)
◆小林 美駒(こばやし・みく)2005年3月19日、新潟県生まれ。20歳。23年3月に美浦・鈴木伸厩舎からデビューし、同年4月9日の福島5R(
アシャカタカ)で初勝利。ルーキーイヤーはJRAで10勝を挙げた。昨年は19勝で、今年は18勝をマークしている。153・0センチ、46・1キロ。