美浦Wで力強い動きを見せたシリウスコルト(撮影・園田高夫)
「七夕賞・G3」(13日、福島)
新潟大賞典で重賞初制覇を果たした
シリウスコルトが9日、美浦Wで最終追い切り。単走で迫力のある動きを披露し、目下の出来の良さをアピールした。新規開業した田中勝厩舎に転厩後は2、1、1着と快進撃を続け、厩舎の屋台骨を支えている。トップハンデ58・5キロを克服し、3連勝&重賞連勝を果たしてみせる。
朝一番の美浦W。重賞ウイナーにのみ付与されるネーム入りゼッケンを誇らしげに、
シリウスコルトが馬場の外ラチいっぱいをグングンと加速する。軌道に乗った4歳馬の成長は急。単走ながらもダイナ
ミックなフォームでゴールを駆け抜け、しまい重点にきれいな後傾ラップを刻んだ。
6F85秒0-39秒2-11秒6。騎乗した上野(レースは古川吉)の声も弾む。「言うことないぐらいに仕上がった。前回と比べても全然いいですよ」。夏の暑さは「体質的に強い方ではない」と本音を隠さないが、これだけ動けば文句なし。「厩舎がやってきたことがしっかり実になっている。(暑さへの)対応力が出てきた」と、さらなる進化を感じたようだ。
動きを見守った田中勝師も「きょうは気分良く走らせようと。もう馬はできているので強い調教は必要ないからね」と予定通りの内容に満足げ。トップハンデ58・5キロに関しては「そこが…ちょっとね。俺でも乗れるわ(笑)」とおどけながらも、目下の充実ぶりなら克服可能だ。「トモに幅が出ていい体つきになってきた。道悪になってもさほど気にしないと思うし、開催が進んで時計がかかってきた馬場はいいんじゃないか」と得意コースで再度好走を誓う。
騎手時代は02年イーグルカフェ、03年
ミデオンビット、22年
エヒトで3勝を挙げた。「縁があるよね。暑い季節は大好き」と“カッチー
スマイル”がはじけたが、騎手目線では「福島の二千は難しい。実力はもちろん、運も必要」と競馬の奥深さも熟知している。それでも「器用さがあって競馬が上手。鞍上とも手が合う」と信頼する人馬ならば、きっと勝利の女神を引き寄せられるはず。史上3人目となる騎手&調教師での七夕賞Vに期待がかかる。