ゼンノロブロイ(写真は04年有馬記念、撮影:下野雄規)
8月20日にヨーク競馬場で行われるインターナショナルSは、イギリスを代表する中距離レースの一つだ。過去には
ダリア(
Dahlia)、ジャイアンツ
コーズウェイ(Giant's Causeway)、
フランケル(
Frankel)などの名馬が制しており、今年は日本から
ダノンデサイル(牡4、栗東・安田翔伍厩舎)が出走予定。そこで今回は日本馬が初参戦した05年、ゼンノロブロイが2着となった一戦を振り返る。
この年のインターナショナルSは少数精鋭のメンバー構成だった。1番人気は名伯楽のA.オブライエン調教師が管理し、プリンスオブウェールズSで2着だったエース(Ace)。そして2番人気がゼンノロブロイだ。前年秋に古馬三冠を制覇。前走の宝塚記念は3着に終わったものの、初コンビとなる武豊騎手を配し、十分に勝機ありと判断しての参戦だった。そして3番人気はミラノ大賞覇者の
エレクトロキューショニスト(
Electrocutionist)。他にも前年のキングジョージVI世&クイーンエリザベスSを制した
ドワイエン(Doyen)、前年2着のノースダンサー(
Norse Dancer)など、錚々たるメンツだった。
レースはエースの逃げという意外な形で幕を開けた。ゼンノロブロイは5〜6番手で脚をためて、
エレクトロキューショニストは最後方から。そのままゆったりと流れ、直線の決め手比べとなった。各馬が馬場の真ん中に進路をとって、横一線の追い比べ。ゼンノロブロイは馬群の真ん中からジワジワと脚を伸ばす。そしてゴール前、粘る先行勢を何とか捕らえたものの、大外から
エレクトロキューショニストが襲い掛かる。手に汗握る接戦は僅かにクビ差、
エレクトロキューショニストが前に出たところでゴール。ゼンノロブロイの偉業達成は惜しくも叶わなかった。
この後、インターナショナルSには2頭の日本馬が参戦している。しかしながら、19年の
シュヴァルグランが8着、そして昨年の
ドゥレッツァは5着。残念ながら戴冠には手が届いていない。今年こそはヨークで日本馬に凱歌が揚がるか。日本ダービー馬の走りに要注目したい。