コレペティトールで重賞初制覇を目指す井上(撮影・石湯恒介)
「中京記念・G3」(17日、中京)
確かな手応えを得ての連続騎乗に気持ちが入らないわけがない。デビュー12年目の井上敏樹騎手(30)=栗東・フリー=が、
コレペティトールとのコンビ2戦目で自身の重賞初制覇へ挑戦する。
初めてコンビを組んだ前走のしらさぎSは、見せ場たっぷりの3着。序盤は押しても前に行けず後方からとなったが、勝負どころの3角でまくるように進出。外を回りながらも最後まで鋭く脚を伸ばし、不振続きだった相棒をよみがえらせた。
「流れが遅かったので大外を回る形になりましたが、うまくハマりましたね。あそこまで脚を使ってくれるとは思っていませんでしたが、重賞を勝っている力を確認できました」と井上。14番人気という低評価を覆す大激走。期待以上の走りを引き出せたのは、中間の障害練習の成果だろう。障害、平地を知る鞍上が切磋琢磨し、
コレペティトールの特性をしっかりと見極めていたからだ。
「密にコンタクトを取ってきたので、こちらに耳を傾けてくれるというか、信頼関係が築けましたね。障害練習は全身を使っていい運動になるので、馬も変わってくると思う」と障害で鍛え上げた効果を語る。
現状、サマーマイルシリーズでは4ポイント獲得で6位タイ。「継続してチャンスを頂けたので、感謝して精いっぱいの騎乗をしたい。勝ちに行きます」と力強い鞍上。1年7カ月ぶりの勝利をつかみ取り、夏のマイル王の座をグッと引き寄せる。