先週の中京ダート1400mで行われた新馬戦。フルゲート16頭のところへ20頭が出馬投票して、4頭が除外となった。そのうち、
ヴィエントデコラ(栗東・寺島良厩舎)は中京ダート1200mの2歳未勝利へ再投票して出走を確保。既走馬相手でも投票した理由は今後の番組だろう。
3回、4回中京開催は12日間、新馬戦は16レース組まれているが、ダート1400mは8日目の1レースのみ。中京の前は小倉開催でダート1400mの番組はなく、結果的にここへ馬が集中したということだろう。ここで除外が出たからといって、ダート1400mを増やした方がよいというわけではないが、2回、3回新潟開催の12日間でもダート1200mが1レースしかなく、そこでも6頭の除外が出たことを考慮すれば、番組検討の余地はありそうだ。
【8月23日(土) 中京芝1400m】
◆
ピエナブラック(牡、父
キタサンブラック、母キタサンベッキー、栗東・荒川義之厩舎)
母系には
キタサンフドー、
キタサンチャンネル、
キタサンサジンといった活躍馬がいる「キタサン」血統。本馬は2024年北海道サマーセール1歳にて、1500万円(税抜き)で落札されている。
荒川義之調教師が「セリの時から馬っぷりが良かった」と話すように、見映えする
キタサンブラック産駒。同産駒でこの距離を使う理由が気になるところだが「折り合いとは全く問題ないけど、少し前向きさに欠くところがあるので、中距離をダラッと走らせるように、促しながら気を抜かせることがない距離の方がよいと思って」と同師。8月6日の坂路では4F50.7秒をマークしているのだから、本質的に
スピードが足りないということはないだろう。鞍上は団野大成騎手が予定されている。
【8月23日(土) 中京ダート1800m】
◆
モンサンゴールデン(牡、父
シルバーステート、母ウインアンジェラス、栗東・中竹和也厩舎)
半姉にダートで4勝を挙げた
ゼンノアンジュ(父ヘニーヒューズ)など、ダート戦での活躍馬が多い血統。父
シルバーステートは芝での活躍馬が多い印象だが、
レアンダー(栗東・大根田裕之厩舎)のように、ダートで勝ち上がって、オープン入りしている馬もいる。
本馬は8月1日に栗東でゲート試験に合格して、そのまま在厩調整。ここで取り上げるきっかけにもなった、8月6日の坂路での追い切りでは4F51.4秒をマーク。
スピードのあるところを見せており、追い切り本数が少なくても、初戦から動ける
スピードは兼ね備えている。鞍上は池添謙一騎手が予定されている。
【8月24日(日) 中京芝2000m】
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キッコベッロ(牡、父
Study of Man、母アマダブラムII、栗東・友道康夫厩舎)
父
Study of Manの名は聞き慣れないだろうが、父父がディープインパクトと聞けば、親近感が沸くのではないだろうか。現役時代には仏ダービーを勝ち。凱旋門賞やジャックルマロワ賞にも出走している。
本馬は6月18日にドラゴン
ファームから栗東へ入厩。ゲート試験合格後に放牧へ出されているが「そのまま小倉デビューでもいいかなという感じでしたが、成長を促す意味でもリフレッシュ放牧に出しました」と友道康夫調教師。レースでも騎乗予定の川田将雅騎手が跨ったCWでの1週前追い切りは「予定よりも時計は遅くなりましたが、ジョッキーは追ってからが良かったと手応えを掴んでくれました」とのこと。最終追い切りの動きにも注目したい。
◆
アーサーバローズ(牡、父
キセキ、母シーカーマ、栗東・寺島良厩舎)
父
キセキは4頭の産駒がデビューして未勝利。先週も未勝利へ出走したが、未だ馬券圏内がないというところだが、乗り味の良い馬が多いということなので、ひょっとしたら、もう少し先になって良くなってくるタイプの血統かも知れない。
ただ、本馬は初戦から、と思わせてくれる動き。8月14日のCWでは3頭併せを最後方から追走。最後の直線では3歳未勝利、2歳新馬の2頭を外から交わしていき、6F82.0秒をマーク。3F36.9秒、1F11.3秒とラスト3Fが非常に優秀な時計でまとめている。乗り込み量も十分なだけに、実戦が楽しみだ。
(取材・文:井内利彰)