21年のセントライト記念を制したアサマノイタズラ(21年9月撮影、ユーザー提供:mailaさん)
今年から中山競馬場で誘導馬となった
アサマノイタズラ。特徴的な馬名でも話題となった彼が重賞初制覇を果たした21年のセントライト記念を振り返る。
アサマノイタズラは父
ヴィクトワールピサ、母ハイタッチクイーン、母の父キングヘイローの血統。生産者は北海道日高町の前野牧場。馬主は星野壽市氏。馬名は群馬県の郷土かるたである上毛かるたの一文「浅間のいたずら 鬼の押し出し」に由来する。
管理する手塚貴久厩舎の所属である嶋田純次騎手とのコンビで、21年のクラシック路線を駆け抜けた。デビュー2戦目で初勝利を挙げると、水仙賞の4着を挟み、ス
プリングSでは
ヴィクティファルスからアタマ差の2着に健闘。皐月賞は16着、日本ダービーを見送り、賞金加算を目論んだラジオNIKKEI賞で12着となったのち、田辺裕信騎手との新コンビで菊花賞
トライアルのセントライト記念に向かった。
弥生賞覇者の
タイトルホルダーなど、実力馬が顔を揃えた一戦。
アサマノイタズラは単勝42.7倍の9番人気に甘んじたが、レースでは一世一代の走りを見せた。道中は後方で脚をためる形。そして4角を回り、空いたスペースから外に出すと、グングンと加速する。1頭、また1頭と交わすと、ゴール手前で早め先頭の
ソーヴァリアントも捕らえてゴール。ガラリ一変の走りで重賞初制覇を果たしたのだった。
これが最後の勝利となった
アサマノイタズラだが、今年1月からは中山競馬場で誘導馬として活躍している。それだけに自身が制したセントライト記念で先導役を務める可能性もあるだろう。レース前の彼にも大いにも注目してほしい。