「戸塚記念・S1」(10日、川崎)
春のうっぷんを晴らす4馬身差だ。2番人気の
ナイトオブファイアが好位から力の違いを見せつけ、待望の重賞初制覇。2着に4番人気の
ユウユウスキーが後方から突っ込み、人気を二分した1番人気の
シーソーゲームは逃げたが最後にかわされて3着に敗れた。
やはりモノが違った。東京ダービーで先着を許した
シーソーゲームの逃げは想定内。これを3番手でマークした
ナイトオブファイアはうなるような手応え。4角手前では予想通りのマッチレースの様相を見せたが、直線入り口でこれを難なくパスすると、あとは差が広がるばかりだった。父・
ホッコータルマエが川崎記念3連覇(14〜16年)した舞台で堂々たる4馬身差。待ちに待った初タイトルを手にした。
ディクテオンで7日のコリアカップ(韓国・ソウル)を制したばかりの主戦・矢野貴は「難しいことは考えず、自分の走りができればと思っていた。スタートも決まって理想的な位置。前が相手だと思っていたので少し仕掛けは速くなったけど、馬が応えてくれたね」と満足そうに流れる汗をぬぐった。
春2冠は
ナチュラルライズの前に悔しい思いをした。捲土(けんど)重来。夏場のリフレッシュ休養も功を奏し、心身ともにたくましくなって戻ってきた。「先週の(川崎への)馬場見せも良かったようで、きょうはすごく真面目。学習能力の高い馬ですね。何とか重賞を勝たせたかったので、良かった。ホッとしました」と渡辺和師も安どの笑み。
次はもちろん、砂クラシック最後の1冠・ジャパンダートクラシック(10月8日・大井)へ。堂々とS1の勲章を胸に天敵に挑む。「ホントに良くなるのは古馬になってからだと思っていた馬。それだけに成長力もあります。いい状態に仕上げて、もう一度3冠に挑みたい」ときっぱり言い放った。