モレイラ騎乗で余力十分のサトノレーヴ(左)(カメラ・荒牧 徹)
◆スプリンターズS追い切り(24日・美浦トレセン)
秋G1開幕戦の第59回スプリンターズS(28日、中山)の追い切りが24日、各地で行われた。同一年春秋G1ス
プリント制覇を狙う
サトノレーヴは
ジョアン・モレイラ騎手(41)=ブラジル拠点=が騎乗し、美浦・Wコースで迫力十分の動き。最高評価の「G」となり、角田晨記者は「見た」で分析した。
モニターに表示された5ハロン66秒4―11秒5のタイムを目にしたとき、その能力の高さを改めて思い知らされた。
サトノレーヴは24日、美浦・Wコースでの最終追い切りで、モレイラを背に余力十分の動き。2馬身追走した僚馬を内からとらえて併入。ゆったりした見た目からはラスト12秒程度のイメージだったが、数字は大きく上回ってきた。堀調教師も「速いラップは出ていますが、余力を持って無理することなくできました」と評価したが、あれだけゆとりを持って好タイムを記録するのだからやはり相当な大器だ。
G1初制覇の高松宮記念は当週追いでラスト1ハロン10秒7の猛時計。当時は“勢いのある上がり馬が完全な本格化”といった印象を受けたが、今回は王者の風格を感じさせる余裕ぶり。1週前に同コースで記録した5ハロン64秒8―10秒7よりも、むしろ今回の緩めな時計の方がすごみがあった。トレーナーの「いろいろな経験をして、だんだんと競走馬として進化してきています」との言葉通り、6歳秋を迎えてまさに充実一途と言ったところだ。
7着に敗れた昨年とは馬が違う。「去年はいろいろなことが後手後手に回ったものと思っています。能力を出すのに問題あるコースではないですし、結果をしっかり出せればと思っております」と競馬界トップの“仕事人”の言葉にも力がこもる。高松宮記念時から毎回追い切りに騎乗し、今回も2週連続で感触を確かめたモレイラも「状態はすごくいいと思う。中山が合わないイメージはない」と自信満々だ。
父
ロードカナロアが13年に成し遂げた同一年の春秋ス
プリントG1制覇に向け、態勢は整っている。18年の
ファインニードル以来、7年ぶり6頭目の快挙へ。紛れの多い電撃6ハロン戦で、あとは枠や天候など運をたぐり寄せるだけだ。(角田 晨)