8人の騎手・調教師が28日に開催された馬サブロー創刊25周年記念「ファンの集い」(デイリースポーツ主催、特別協賛netkeiba)に顔をそろえ、約400人のファンを楽しませた。
JRA通算1110勝を誇る国枝栄調教師(70)=美浦=と、3冠馬
コントレイルなどの名馬を送り出してきた矢作芳人調教師(64)=栗東=が豪華対談を行った。東西を代表するトレーナーが壇上にそろうと、会場は大歓声。矢作師をアグレッシブだと表現した国枝師に対し、矢作師は「国枝先生のことを悪く言う人は聞いたことがない」と人徳の高さを強調した。
調教師としての
スタイルは全く異なる。馬の個性の見極めで大切にしていることについて問われると、国枝師は厩舎での反応を重視と回答。「馬の目つきで『まだこの馬は余裕があるかな』というのを見ている。スタッフが的確に把握して、いい気分で競馬に向かってもらいたい」と話すと、矢作師は「馬選び、適性など全て答えがない。野生の勘です。正解がないから常に新しいことを考えていかないと」とデータはあまり重視しないことを明かした。
この馬は走ると確信した瞬間については「生き物なので半分は当てずっぽう(笑)」と笑う国枝師。それでもG1・9勝の
アーモンドアイには「入厩して最初のキャンターで普通じゃないなと。フットワークが全然違うので、こんな馬いるんだろうかと思った」と目尻を下げる。一方の矢作師は
コントレイルについて「1本目の追い切りで、見てすごいなと衝撃的だった。走る馬って速いように見えなくて、時計を見たらすごく速い」と当時の興奮を振り返った。
対談の最後にはサプ
ライズ発表も飛び出した。国枝師が「今年は男馬でのクラシックを獲りたいので、(戸崎)圭太に頑張ってもらい、
アマキヒで菊花賞を勝ちたい」と、3冠牝馬
アパパネの子である
アマキヒ(牡3歳)の菊花賞(10月26日・京都)参戦を表明。来年2月の定年退職を前に、初の牡馬クラシック制覇を狙うことを宣言した。