「マリーンカップ・Jpn3」(2日、船橋)
地元の意地-。5番人気の
プラウドフレールがまんまと逃げ切り、初の交流重賞制覇を達成。「第15回JBCレディスクラシック・Jpn1」(11月3日・船橋)への優先出走権をゲットした。単勝1・6倍の支持を受けた
メモリアカフェが3馬身差の2着。スタートが決まらなかった2番人気の
プロミストジーンは3着に追い上げるのがやっとだった。
ゴールの瞬間、船橋競馬場の夜空へ、張田昂の右手が何度も何度もド派手に挙がった。地元の
プラウドフレールが5番人気からの逆襲。強力なJRA勢に影さえ踏ませぬ逃走劇を完成させた。
2歳女王&桜の女王にまたひとつ大きな勲章が加わった。「無理して行こうとは思ってなかったけど、スタートが良かったので気持ち良く行きました。ちょうどいいペースでしたね」と主戦は涼しい顔だ。
自身にとってはこれが区切りの地方重賞20勝目。21年川崎記念、かしわ記念(ともに
カジノフォンテン)以来の交流重賞3勝目に、「勝つつもりでしたが、強い姿を見せられて良かった。中央、地方、海外は関係なく、同じ馬なので、ひとつずつ丁寧に上を目指していきたい」とさらなる飛躍を宣言すると、スタンドからは“
アキラコール”が一斉に響き渡った。
昨年の暮れから重賞3連勝を決めたが、東京プリンセス賞で1番人気を裏切る5着。前走の関東オークスでも離された3着と苦戦が続いた。「こんな馬じゃない」-。陣営は思い切って北海道でリフレッシュを敢行。この日は馬体が11キロ増えていたが、「馬体重じゃなくて、中身が詰まって帰ってきた。いい夏休みになったよ。艶っぽくなってきたね。ジョッキーにはケンカしてこいって言ったんだ。やったなあ」と川島一師は独特の言い回しでご満悦だ。
次走は権利を取ったJBCレディスクラシックではなく、デイリー盃ロジータ記念(11月19日・川崎)を獲りにいく。「もう少し良くなるよ。楽しみだね」。兄
ギャルダル、姉
ミスカッレーラも重賞ウイナー。厩舎ゆかりの良血馬の誇らしい姿に、トレーナーの目尻は下がりっぱなしだった。