「毎日王冠・G2」(5日、東京)
復活ののろしだ。最後の直線。逃げ粘りを図る
ホウオウビスケッツを、
レーベンスティールが外から必死に追いかける。ジワジワと伸び、ゴール前でさらにグッともうひと伸び。半馬身抜き去りゴール板を過ぎると、津村は力強く右拳を握った。
昨年
エプソムC-オールカマーを連勝し、G1戦線に臨むも天皇賞・秋で8着。巻き返しを期した今年もAJCC12着、しらさぎS7着と、らしくない競馬が続いていたが、不安を一掃した。昨年5月の新潟大賞典(11着)以来となるコンビを組んだ鞍上にとっても名誉挽回の一戦。「新潟大賞典で乗せてもらって結果を出せず、悔しい思いをしていた。でも厩舎の力です。僕は攻め馬にも乗っていなくてお任せでしたし、スタッフが馬場に出すのを最後にするなど工夫してくれて馬場に出てからも歩けていました」と関係者に感謝しきりだった。
僚馬
アロヒアリイの凱旋門賞出走のため田中博師は不在。8月の前哨戦から欧州出張で留守にすることが多かったなかで、
レーベンスティールが最高の結果を出し、穂苅助手は「ホッとしました」と大きく息をついた。
これで重賞4勝目。「すごくいい所で我慢してくれて、最後にはじけてくれたのかと思います。これで攻め馬をどうしていくべきであるかの指針にもなります」とうなずいた同助手。欲しいのはもちろんG1タイトル。厩舎期待の5歳馬が、実りの秋を迎える。