◆第60回京都大賞典・G2(10月5日、京都・芝2400メートル、稍重)
伝統のG2が5日、東西で行われ、第60回京都大賞典(京都)は5番人気の
ディープモンスターが重賞初V。メンバー最年長の7歳馬が、遅咲きの初タイトルを獲得した。天皇賞・秋・G1(11月2日、東京)の優先出走権を獲得した。
狙い澄ました一撃だった。スタートを決め、内に潜り込んだ
ディープモンスターと浜中は、呼吸をピタリと合わせ、ラチ沿いをロスなく立ち回る。直線に向くと鞍上は迷いなくイン突きを選択。前方の馬に進路をカットされても、冷静に左に切り返し、全身を大きく使ったアクションで鼓舞。それに応えるように、空いたスペースから上がり3ハロン34秒4の末脚で懸命に脚を伸ばし、逃げ粘っていた
サンライズアースを半馬身差でとらえた。
10度目のコンビで5番人気のディープインパクト産駒を重賞初制覇に導いた浜中は「
ディープモンスターでやっと重賞を勝てたので良かった」と率直に喜びを表した。「(内の)枠を生かして一発を狙おうと思っていた。じっと内で我慢して、直線も内が開けばそこを突こうと。本当に狙ったレースだった」。イメージ通りのレースで、能力を存分に引き出した。15年
ラブリーデイ、18年
サトノダイヤモンドに続く、現役単独最多の3勝目を挙げた池江調教師は「うまく壁をつくって突っ込むタイミングを計ってくれた。浜中君がうまく乗ってくれた」とたたえた。
出走メンバーで最年長の7歳馬。デビュー前から注目を集めていたが、20年8月の小倉での新馬戦は返し馬で放馬して競走除外。24年のチャレンジC2着など重賞で存在感を放つも、タイトルが遠かった。今夏は小倉記念、新潟記念で3着と重賞で安定感ある走りを続けていたが、ここで殻を突き破った。
主戦は「ここにきて力をつけてきて、重賞にも手が届いた。これからも活躍してくれると思う」と期待する。15度目の重賞挑戦で初タイトルを獲得。晩成型の“怪物”の逆襲は、始まったばかりだ。(山本 理貴)
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ディープモンスター 父ディープインパクト、母シスタリーラヴ(父ベ
ラミーロード)。栗東・池江泰寿厩舎所属の牡7歳。北海道新ひだか町・矢野牧場の生産。通算成績は26戦6勝。重賞初勝利。総獲得賞金は2億8471万2000円。馬主はDMMドリームクラブ(株)。