昨年の菊花賞当日にデビューした
ヤマニンブークリエが1年の集大成を見せる時が来た。松永幹厩舎の田原助手が決戦を前に高揚感を口にする。「当初から距離は長い方がいいかな、と。同世代相手の3000メートル。一発あるような気がする。先生にもクラシックを獲ってもらいたい」。前哨戦セントライト記念はメンバー最先着の2着。胸を張っての大舞台だ。
田原助手の士気を下支えするのは名手の言葉。2走前からタッグを組む横山典は、その町田特別(1着)が22年10月以来となる重量52キロでの騎乗だった。「ゲート試験の頃から馬を気にかけてくれていた。2走前も52キロで乗ってくれて」。皐月賞馬
ミュージアムマイルに迫った前走後には「この状態のままいければ勝負になる」と伝えられた。9月ながら残暑が厳しく、調整に苦労した一戦だっただけに「あの時より状態は間違いなくいい」とコンディションはキープどころか上昇している。
3代母に
ワンオブアクラインがおり、ヤマニン軍団
ウルス、チェルキ、
アルリフラ、サルバムと同牝系。「血統的に3000メートルを走れていい。昔はずっと力んでいたが、調教では春より乗りやすくなっている」と成長も後押しする。ヤマニンの勝負服がG1を先頭で駆け抜ければ、
シュクル(03年阪神JF)以来22年ぶり。好機到来だ。