馬群を縫うように追い上げるフェスティバルヒル(左から2頭目)=撮影・石湯恒介
「ファンタジーS・G3」(1日、京都)
G1馬の妹が世代の上位へ堂々と名乗りを上げた。1番人気の
フェスティバルヒルが抜群の切れ味で重賞初Vを決めた。
ゆったりしたスタートから少し促して中団の後ろに取りつき、脚をためた。3〜4角では進路が危ぶまれたが、直線半ばで前があいてからは上がり3F33秒1と目の覚める末脚を披露。見事にラ
イバルを差し切った。初コンビのC・デムーロは「後方のポジションになってどうかと思いましたが、直線に入って馬場の真ん中から反応してくれました。いい脚でした」と振り返った。天皇賞・秋では、兄で皐月賞馬の
ミュージアムマイルに騎乗予定。大一番に弾みをつけ、「乗るのは1年ぶりで強いメンバーですが、頑張りたいです」と力を込めた。
新馬戦、新潟2歳Sとマイルを使い、今回は1F短縮しての一戦。四位師は「ジョッキーには“スタート速くないから”と言っていましたが、やっぱり遅かったですね。千四でみんな速いなかでリカバリーもしてくれましたが、3角の並びが絶望的。それでも慌てずに勝ち切ってくれて良かったです」と鞍上の手腕に安どの表情を浮かべた。
この血統にこの勝ち方、スケールの大きさを感じずにはいられない。「まだまだ良くなりますよ。年末の大きいところに行きたいですね」と師は阪神JF(12月14日・阪神)の参戦を示唆。この馬にとっての“祝祭”は、まだ始まったばかりだ。