◆第42回ブ
リーダーズCクラシック・G1(日本時間11月2日、米
デルマー競馬場・ダート2000メートル)
日本ダート界の絶対王者、
フォーエバーヤング(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎、父
リアルスティール)が勝利。日本馬が本場の最高峰と言われる大一番を制した。道中は3番手を追走。最終コーナー前から積極的に先頭に立つと、最後は外から迫った
シエラレオーネを振り切った。
同馬はG1級競走は5勝目で、獲得総賞金は日本馬歴代トップに浮上。管理する矢作調教師は2021年のフィリー&メアターフ(
ラヴズオンリーユー)、ディスタフ(
マルシュロレーヌ)に続くブ
リーダーズC3勝目。鞍上の坂井瑠星騎手=栗東・矢作芳人厩舎=は今年のサウジCに続く海外G1・2勝目となった。
ついに頂点に立った。矢作調教師が「世界一決定戦」と位置づけ、坂井も「本当のチャンピオンが決まるレース」と挑んだ大一番。昨年のケンタッキーダービー、BCクラシックで先着を許していた
シエラレオーネを始め、本場の一線級が勢ぞろいした中で強さを見せつけた。
世界を渡り歩いてきた経験値も生きた。昨年は春に中東2戦からケンタッキーダービーに参戦すると、再び海を渡った秋はこのレースに挑戦するも3着。今春はサウジCで世界最高の優勝賞金1000万ドルを獲得したが、ドバイ・ワールドCでは3着に敗れた。
「(ドバイは)もちろん勝てると思っていたから残念だったし、マークされるのも分かっていたけど。それでも、よく3着にきたなというのが大きかった」と坂井は振り返っていた。当然のように、世界の強豪たちと戦ってきた軌跡こそ規格外の証し。壁を乗り越え、時にはね返され、身につけた強さが、アメリカの地での「三度目の正直」に結びついた。
歴史的な偉業を成し遂げたが、まだ来年も現役生活は続く。当面は連覇を狙うサウジC(2月14日、キングアブドゥルアジーズ競馬場・ダート1800メートル)が目標。その後には巻き返しを狙うドバイ・ワールドCや、ファンの夢も乗せた芝への挑戦も選択肢に入っている。砂上の世界王者の座をつかんだ日本競馬史上に残る激走。しかし、
フォーエバーヤングにとっては、まだ通過点に過ぎない。
坂井瑠星騎手(
フォーエバーヤング=1着)「すばらしい馬です。信じられないです。夢のような気持ちです。実は自信がありました。(
フォーエバーヤングは)世界中で活躍しているスーパースターだと思います。サポートしてくれたみなさんに感謝します」
矢作芳人調教師(
フォーエバーヤング=1着)「日本の競馬界にとって考えられない。サッカー日本代表がワールドカップで優勝したような感じです。今回、これで負けたら望みはないというぐらいの仕上げでした。(日本のファンへのコメントを求められ)やりましたよ、やったよ。ついに取った、アメリカの頂点! やりました!!」