秋華賞2着
エリカエクスプレスは坂路で自己ベストを更新。悲願のG1獲りへ、万全の仕上がりだ。
開門直後の坂路に登場した
エリカエクスプレスの背には2戦連続でコンビを組む武豊の姿があった。単走馬なりで馬場の真ん中を力強く駆け上がる。道中は我慢が利いた走りで徐々にペースを上げて加速。「軽すぎた」が鞍上の第一感だったようだが、計時した4F52秒6〜1F12秒1は自己ベストを更新。これには「思ったよりタイムが出ていた」と驚き交じりに「動きは良かった。前回同様、調教ではそれほどイレ込んでいなくて、凄くおとなしかった」と好感触を伝えた。
前走秋華賞は逃げ粘り2着。調教に乗った際とレースでの
テンションの違いを肌で感じた。「当日
テンションが凄く上がって、
スピードで自然とハナを切る形になってしまった」と回想する。今回も展開の鍵を握ることは間違いないが「折り合いが中心になる。(作戦は)決めてはいないです。馬のリズムに合わせて」と戦術に含みを持たせる。
2F延長を克服した前走からさらに1Fの延長。杉山晴師は「“エリザベス女王杯に行かないんですか”という感じで話があった」と前走後の武豊とのやりとりを明かし、「京都は合うのかなと思ったし、この馬にしたら間隔は詰まり気味ではあるが、この中間も在厩で状態は変わらない」と起用理由を説明。最終リハについては「武騎手に前走との比較をしてもらった。“トモの動きは前回より良く感じた”と言ってもらって、ス
トライドも乗っている感触より大きくなった印象だった」と上積みを強調した。
ひと月前、正確無比なラップを刻む逃げで観衆を熱狂させた
エリカエクスプレス×武豊のコンビが淀の舞台に戻ってくる。頂点まであと一歩。3歳秋に少し成熟した姫はどのようなレースでファンを楽しませるのか。師は「簡単には行かないが、前回で復調の兆しを見せてくれた。強い
エリカエクスプレスをお見せできるように頑張ります」と力強かった。観客の視線を奪う準備は整った。