古馬撃破で悲願達成を目指すパラディレーヌ(撮影・中田匡峻)
「エリザベス女王杯・G1」(16日、京都)
秋華賞3着からの戴冠を狙うのが
パラディレーヌだ。3歳馬は過去10年で2勝と古馬勢の強いレース。厚い壁に挑むが、前走で見せた上がり最速の末脚は強烈。中3週という厳しいローテにも疲れた様子はない。17年に
モズカッチャンが秋華賞3着→エリザベス女王杯制覇を達成。
キズナ産駒の3歳牝馬が、同じ道をたどる。
過去10年で6勝を挙げる4歳馬に対し、3歳馬は2勝。古馬の牙城を崩すのは簡単ではない。それでも、3歳馬は若さと勢いが魅力。秋華賞3着から戴冠した17年
モズカッチャンの再現を狙うのが
パラディレーヌだ。
上がり最速で前2頭に迫ったのが前走の秋華賞。「誰も動けないようなペースをつくったレジェンドと、それを動いたスーパースターがいたレース。ウチの馬には競馬の神様がほほ笑んでくれなかったかな」。千田師は残念そうに振り返りながら上位2頭をたたえる。
前走後、すぐにエリザベス女王杯参戦が決まったわけではなかった。激戦からの中3週。馬の様子を確認しながら、登録のギリギリまで判断を待った。「秋2戦とも一番強い競馬をしていると思う。ということは、一番疲れている。レース後1週間ケアして、残り1週間は馬場で遊んでもらって、その後にお馬さんに聞いたら“大丈夫”ってことなので。すごくいい子なので、気を使ってくれているのかな?と思うけど、元気に見えます」とトレーナーは出来の良さを表現する。
ひと夏を越して、今秋は成長も感じるという。「前はドタバタ走っているように見えたのが、ローズSの前から調教でも1本の線の上に脚が乗って無駄がない。完歩が広くなった」。進化する姿に目を細めながら、「前走の内回りから外回りに変わるのはいい。距離が200メートル延びてどうかだけど、オークスも頑張ってくれたので。
グランプリホースがいるので胸を借りるつもり」と舞台を歓迎した。
「ウチの厩舎は競馬の神様に愛されるように、目の前の馬に愛されるようにとやっていますが、今回は多めのおさい銭を持って手を合わせようと思っています」。悲願のG1制覇へ-。今度こそ女神がほほ笑んでくれる。