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伏兵が大逃げで大波乱!クィーンスプマンテはなぜブエナビスタの鬼脚に勝てた?エリザベス女王杯過去の名レース

2025年11月14日 14:14

直線で、逃げたクィーンスプマンテ(右から2頭目)とテイエムプリキュア(右端)の2頭は、後続を尻目に“二人旅”

 今年のエリザベス女王杯・G1(11月16日、京都競馬場・芝2200メートル)は、どんなドラマが生まれるのか。過去の名勝負・09年のクィーンスプマンテ(父ジャングルポケット)勝利を振り返る。

 大逃げを打った11番人気の伏兵、田中博(当時は騎手、現在は調教師)騎乗のクィーンスプマンテが前半のリードを最後まで保って優勝。人馬ともG1初制覇を飾った。2着も2番手を進んだ12番人気のテイエムプリキュアが入った。断然の1番人気、ブエナビスタは究極の末脚で迫ったが、届かず3着。3連単は当時のレース史上最高の154万5760円の大波乱だった。

 先頭を走っているのに、ターフビジョンに自分の馬が映っていない。背後から押し寄せる蹄音も聞こえてこない。直線入り口では3番手以下はまだ20馬身以上も後ろだ。「リードがどれだけか分からなかった」。田中博は、無我夢中でクィーンスプマンテの手綱をしごいた。直線半ば。直後に控えていたテイエムプリキュアが競りかけてきた。「プリキュアがいてくれたので、競ってまた伸びてくれた」。外から猛追したブエナビスタは、目に入らなかった。悲鳴がまじる大歓声の中、1馬身半の差をつけて真っ先にゴールに飛び込んだ。

 戦前から宣言をしていた通り、果敢に先頭へ誘導した。「前2頭で離して逃げる形になると思っていた」その通りに事は運んだ。12秒台のラップを刻んで、3コーナーからスパート。持ち前のしぶとさを発揮して、とうとう最後まで粘り切ってしまった。「この馬は6回逃げて、5回勝っている」。パドックでまたがる際に、小島茂調教師からそう声をかけられた。競られてつぶされてもいい。とにかく逃げるだけ。「その言葉が自信につながった」。

 2着はテイエムプリキュア。逃げるクィーンスプマンテとの叩き合いとなった最後の直線。熊沢の右ステッキの連打にテイエムプリキュアは、最後の力を振り絞った。残り1ハロン。外から馬体を併せにかかる。「かわせる」。勝利を確信した瞬間、勝ち馬に差し返されて2着に終わったが、ブエナビスタの猛追は、しっかりとしのいで見せた。2番手で我慢させるベテランらしい技で、存在感は示した

クィーンスプマンテの通過タイムは、60秒5。テイエムプリキュアと2頭で、大きく後続を引き離してはいたが、それほどペースは速くない。

 なぜクィーンスプマンテは勝ったのか? 2009年からの過去10年で、最初の1000メートルが60秒以上だったのは6回あるが、その時の逃げ馬の成績は〈17〉〈4〉〈5〉〈8〉〈2〉〈1〉着。人気薄でも、掲示板に載ることがしばしばあった。ワンツーを決めた2頭は、それぞれがマイペースの“逃げ”に持ち込んだと言っていい。

 もう一つのポイントは、1400〜1600メートルと、1600〜1800メートルでのラップ。そこで11秒8、11秒7とペースを上げ、後続に脚を使わせた。ダイワスカーレットが11秒台を刻んだのも、1400メートル地点からだった。ブエナビスタは、3コーナーでもまだ中団。それに合わせるように、他の馬も動くのが遅れていた。最後の200メートルは12秒9にラップが落ちたが、2頭の“貯金”がなくなることはなかった。

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