「エリザベス女王杯・G1」(16日、京都)
グランプリホースが意地の一撃だ。1番人気に支持された
レガレイラが、淀の舞台で力の違いを見せつける快勝劇でG1・3勝目。5着に敗れた昨年のリベンジを果たし、女王の座に返り咲いた。2着に4番人気の
パラディレーヌ、3着に9番人気の
ライラックが入った。また、JRA・G1実施機会4連勝が懸かっていたルメール騎乗の
ステレンボッシュは10着に終わった。
苦手なコースとは言わせない。秋の西日を背に、
レガレイラが堂々たる勝ちっぷり。開設100周年を迎えた京都競馬場で
グランプリホースが意地を見せた。
練習の成果もあって五分のスタートを切ると、中団で折り合い、人馬の呼吸を合わせた。「ポジションは決め打ちせずに乗って、いい所でリズム良く走れた。いい脚を持っていると思っていたので、手応えを感じながらジックリと」。相棒を信じた戸崎圭が馬場のいい外へとエスコートする。エンジンに点火し、手応え通りに前を一気にのみ込んだ。
終わってみれば力が違った。1番人気の支持に応え、戸崎圭は「ギアを上げてから、ステッキを入れてから、ひとつひとつのことに反応してくれた。強さを見せられたかなと思います。一番強いと信じて乗っていたので、ホッとしているのとうれしいのと」と満足げ。最後はおなじみの「
ベリーベリーホース!」のフレーズでファンを沸かせた。
関西圏で結果が出ていないことに“中山専用”という声も聞かれたが、主戦は「周りの声は聞こえていなかった。この馬の力を出せれば、と思っていて意識していなかった」と淀の舞台でつかんだ勲章に胸を張った。
木村師にとってはうれしい53歳の
バースデーV。5着に敗れた昨年と同じ馬番の7番からリベンジを果たしたが、「コース適性を聞かれるけど『いい状態で騎手に乗ってもらえるように』というのがポリシー。そこに集中しているので、枠とかコースとか、右回りや左回りって、あまり興味なくやっているんです。健康状態を良くして、管理馬を送り出したいので」と指揮官らしい信念を強調した。
先輩僚馬
イクイノックスのラストラン(23年
ジャパンC)から約1カ月後に、初のG1タイトルをつかんだ
レガレイラ。64年ぶりに3歳牝馬による有馬記念制覇を決めた後は、骨折や宝塚記念大敗と順調な道のりではなかった。完全復活を示すVに「去年、有馬記念を勝たせてもらって、歴史に名を刻んだ馬と言えると思っている。器の大きい馬だと改めて感心します」とうなずくトレーナー。次戦については馬の様子を見ながらオーナーと協議されるが、もちろん有馬記念の連覇に期待が高まる。「
レガレイラにすばらしい未来があるように」(木村師)。復権した女王が再び最強の座を狙う。