「チャンピオンズC・G1」(7日、中京)
桶狭間のダート頂上決戦に彩り豊かなメンバーが集結した。その中で主役を務めるのは3歳馬の
ナルカミだ。デビューから6戦5勝。前走のJDクラシックでG1初制覇を飾った勢いそのままに歴戦の古馬も撃破するか。
偉大な先輩からのバトンをしっかりと引き継ぐ。JDクラシックでG1級初制覇を飾った
ナルカミ。同じゴドルフィンブルーの勝負服で23&24年チャンピオンズCを連覇した
レモンポップの後継馬として、陣営は並々ならぬ期待を寄せている。
栗東から転厩初戦だった4月の1勝クラスを快勝すると、そこから破竹の4連勝で3歳世代の頂点に上り詰めた。新馬戦を破格のタイムで制したことで早くから注目を集めていたが、体の
バランスや精神的な幼さもあり、転厩当初は田中博師も慎重なスタンス。「体の左右差が大きいので、焦らず大事に育てていきたい」と長期的なプランで見守ってきた。
春の3歳
グレードレースには目もくれず、一歩ずつ前に進み、着実な上昇曲線を描いてきた。秋初戦の不来方賞で不得手と言われた左回りも克服。続く大一番では、3冠を狙った
ナチュラルライズを寄せつけない完勝劇を披露した。指揮官は「月日を重ねて、だいぶ大人になってきました。心身ともに成長し、同じ時期の
ミッキーファイトより能力は上でしょう」と帝王賞→JBCクラシックを連勝中の僚馬を引き合いに出し、その成長ぶりに目を細めた。
前走の疲労もなく、調整は予定通りに進んでいる。1週前追い切りを見届け、「順調に来ていますよ。残りの時間でもっと上げていけそう。負けている舞台だけど、自分のリズムで走れれば問題ないと思っている。逃げにはこだわっていないし、自分自身との戦いに勝ってほしい」とトレーナー。国内制圧にとどまらず、その先には偉大な先輩でも届かなかった世界の頂へと夢は広がる。