「チャンピオンズC・G1」(7日、中京)
メイショウハリオを担当する湊厩務員とは、彼がかつて栗東・土門厩舎に所属していた時からの仲。私が美浦へ転勤する際には二人だけの“お別れ会”を開いてくれたほど泣かせる男で、今でも友人関係は続いている。
それゆえ、ハリオのことはデビュー前から知っており、苦労話をよく聞いていた。なかなか“あまのじゃく”な馬で、初めて東京へ遠征した21年薫風Sでは、イレ込みがキツくて数人がかりで装鞍したそう。また、体調がひと息と聞いていた22年
マーチSでは、当日の馬体重が16キロ減。「自信なんてあるワケない」と後日談を聞いが、前述の2戦をしっかりと勝ち切った時には驚いた。
このつかみづらい性格は、恐らく“パイロ棒”(ネットで調べてください)で知られる父の影響か。母メイショウオウヒのポテンシャルの高さは言わずもがなで、1つ下の半弟
テーオーロイヤル(父
リオンディーズ)は全く違うカテゴリーの24年天皇賞・春をV。母は種牡馬の特徴を引き出すタイプなのだろう。
7月の帝王賞は、輸送中の馬運車で食道閉塞を発症したため競走除外。一頓挫明けのJBCクラシックはさすがに割り引いたが、2着力走には驚いた。そして今回は浜中騎手の落馬負傷により、急きょ武豊騎手に乗り代わり…。こんな時ほど、あまのじゃくな血が騒ぎそうな気がしてならない。