ロードカナロアは栗東坂路で先行する
オーセロワ(7歳オープン)を追走する形でスタートを切ると、楽な手応えのままで自ら四肢の回転数を上げ徐々に差を詰める。残り2F手前で並びかけると、一杯に追われる僚馬に対して手綱を押さえたまま。
スピードの違いで圧倒した。絶好の動きで4F53秒7-39秒3-12秒9。きっちりと1馬身先着を果たした。
安田師も「完璧に仕上がったし、いい形で臨めます」と最大級の賛辞を与える。調教担当の安田翔助手も「気持ちが乗せられればいいと思っていたし、やれば時計はもっと出そうな感じだった。
オーセロワも調教で走る馬ですしね。いい感じでしたし、集中力も高まってきていますよ」と力強くうなずいた。
昨秋はスプリンターズS、香港スプリントとGIを連勝。4歳時も圧巻のレースを見せてきたが、今年5歳を迎えてさらにすごみを増してきた。「昨年と比較しても数段
パワーアップしているし、精神面の落ち着きもすごい」と、指揮官は心身ともに充実ぶりを口にする。「今はまだ頂点ではない。ようやく80〜90%に達したかな」。なお進化を続ける愛馬に、かける期待は大きい。
「香港を勝って日本のカナロアじゃなく、世界のカナロアになったと思っています。前回は次のレースのためにつくっていましたが、今回は狙っていたGI。昨年、香港で世界のタイトルを獲りましたし、今度は日本でタイトルを獲りたいと思っています」。
国内外から追われる立場となった短距離王は史上初のス
プリントGI3勝へ。昨年3着に敗れて涙をのんだ舞台で、世界を制した
スピードを存分に見せつける。
提供:デイリースポーツ