坂路、CW、DPの主要調教馬場の馬場差がすべて時計の出やすい「-」になった先週。ウッドチップの入れ替え作業が大きく影響していたのだが、今週は23日夜から雨が降った影響を受け、時計の掛かる馬場状態になった。
とはいえ、冬場のような極悪馬場というわけではなく、ラップの緩急さえつければ、ある程度速い時計もマークできる馬場。根本的なウッドチップの問題が改善している今となっては、数ヶ月前ほど、時計が掛かるということはないだろう。
【坂路/4F51.9秒】
4月24日の一番時計が4F51.4秒で、51秒台は6頭しかいないという時計の出方を見れば、時計の掛かる馬場になったと判断してしまいがち。しかし、ラスト1Fが12.5秒以下という馬は20頭以上おり、前半さえゆっくり入れば、決して時計の出ない馬場ではない。
4F55.7秒は決して高い評価はできないものの、2F25.7〜1F12.3秒を馬なりでマークした
レッドデイヴィスは要注意。前半をゆったり進めているため、後半にこれだけ伸ばせるのは当然だが、それにしても、鞍上が軽く合図を送るだけで、しっかりとした脚どりで駆け上がる姿は、前走の1着が勢いになっていると考えてよい。
先週の馬場差は「-0.3秒」だったが、今週は雨の影響を受けた。ただ、少し重くなったという程度で、ウッドチップを交換している走りやすさもある馬場。よって、24日、25日とも『+0.5秒』で馬場差を計測している。
【CW/5F66.5秒】
24日。これまでのCコースであれば、雨の影響を受けても時計を要するということはなかったのだが、今週に限っては少し違った。ゴール前でノメル馬も多数いて、水分を含んだウッドチップはかなり走りにくい印象を受けた。
25日は好天に恵まれたこともあり、24日よりは走りやすい状態。とはいえ、動きが目立ったのは、来週のプリンシパルSを予定しているという、
マジェスティハーツ(栗東・松永昌博厩舎)。今朝は
オースミナインとの併せ馬を行った。
ほぼ馬体を併せるような形で道中を進めて、最後の直線は
マジェスティハーツが外。内
オースミナインは森一馬騎手が跨っていたので、位置取り、乗り手の体重ともに有利な状況だったが、直線で追い比べると、脚色には断然の差。持ったままのような手応えで内を交わすと、先着してフィニッシュ。時計は6F81.6〜5F66.2〜4F50.9〜3F37.6〜1F13.1秒と数字は速く、なにより、前走時より機敏さを感じる走り。新馬勝ちした時は、同厩の「
ウインバリアシオン」に例えられたくらいの期待馬だけに、あっさりとダービーの優先出走権を手にするかも知れない。
馬場差は、24日を『-0.5秒』、天候の回復した25日を『-1.0秒』で観測した。
【DP/5F64.5秒】
今週は雨が降った影響で、ポリトラックを選択する馬が増加。80頭近い馬が追い切りを行っているが、毎度のことながら、時計の出方としては大きな変化はない。
目立った動きを見せていたのは、與杼特別に登録のある
ラガートモヒーロ(栗東・柴田政見厩舎)。太宰啓介騎手が跨っていたが、併せた
ヤマニンメンヒルを子供扱いするような持ったままの手応え。6F78.8秒は少し速いといった程度の時計だが、3F36.6秒が優秀な数字。今が絶好調といった感じだろう。
馬場差は24日、25日ともに先週と同じ『-1.0秒』で観測している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)