牡馬の素質馬を倒して重賞初Vを決めたルージュバック(左)=京都競馬場
歴史を塗り替えた。「第55回きさらぎ賞・GIII」(芝1800m)は8日、京都11Rに8頭で争われ、1番人気
ルージュバック(美浦・大竹)が無敗の3連勝で重賞初制覇を飾った。道中は3、4番手を追走。直線ではじけるように伸びて、素質馬ぞろいの牡馬を難なく一蹴した。牝馬によるVは61年
スギヒメ、64年
フラミンゴに続き51年ぶり3頭目だが、当時はダートでの施行。芝に変わり、クラシックの登竜門となってからは初めて。完勝劇で春の大舞台へ大きく前進した。なお、2馬身差の2着は2番人気
ポルトドートウィユ、さらに1馬身差の3着には3番人気の
アッシュゴールドが続いた。
有力牡馬を蹴散らし、
ルージュバックが無傷3連勝を決めた。「素晴らしいパフォーマンスでした」。エスコートした戸崎圭が満足げな笑みを浮かべる。過去2戦とは違って、好発から3番手へ。直線では反応良くスパートし、ほぼ同時に
アタックした2着馬を2馬身突き放した。「スタートは良かったが、あの位置でも我慢ができた。このような競馬を経験できて良かった」と鞍上は収穫を口にする。
数々のクラシックホースを送り出している一戦を制した。大竹師は「頭数が少なかったのも良かったですね。気性が荒いので、競馬で嫌な思いをさせないようにレースを選択してきた。今後は多頭数での競馬が鍵になる」と口元を引き締める。春の目標は桜花賞(4月12日・阪神、芝1600m)に置く。直行か、1戦挟むかは未定だが、最有力候補に躍り出たことは間違いない。決戦まで約2カ月。大きな期待を胸に桜の舞う季節を待つ。