「2歳新馬」(小倉5R・芝1200m)
目の覚めるような末脚で鮮やかに差し切った。最低11番人気の
オウケンダイヤ(牝、父
オウケンマジック、栗東・西村)が大波乱を演出。しんがり追走から内めを徐々に追い上げ、直線で外に持ち出されると一気に加速。押し切りを図った先行各馬をあっという間に抜き去り、1分10秒9のタイムで勝利を手にした。1馬身1/4差の2着は1番人気の
タガノフォルトゥナ、さらに1馬身半差の3着には8番人気の
ブルベアカトラスが入った。
松若は「4角で気合をつけたら、しまいは反応してくれた。本当に小さい馬で非力なので、小倉の1200mは合っていますね」と会心の勝利を振り返った。
JRAの詳細なデータを検索できる86年以降の新馬戦では最軽量となる376キロでの勝利、小倉の新馬戦では単勝最高配当となる1万8930円を記録。タニノギムレット産駒の父
オウケンマジックは新種牡馬で、現役時代は1000万下止まりだったが、母系は地方競馬最強牝馬としてうたわれる
ロジータの系統だ。
世代で1頭しかいない産駒が見事にデビュー勝ちを決め、福井明オーナーは「思い入れのある馬で勝ててうれしい。ロマンですね」と感慨深げ。小倉2歳S(9月6日・小倉、芝1200m)での重賞挑戦を見据えていた。