騎手時代も含め、55年の競馬人生に幕を下ろす菅原泰夫調教師
また一人、伝説の男が美浦トレセンを去る。菅原師が2月末に定年引退。騎手時代の75年、カブラヤオーで皐月賞とダービー、
テスコガビーで桜花賞とオークスを逃げて圧勝。年間クラシック4勝の記録はいまだ破られていない。
「
テスコガビーは牝馬でも扱いやすかったが、カブラヤオーは極端な怖がりでね。弱点を知られたらラ
イバルに突かれる。だから師匠の茂木先生と二人だけの秘密。2頭とも競馬をつくれる強みを発揮し、特徴的な勝ち方をしてくれた」と懐かしむ。
92年に騎手を引退。調教師となってからの平地重賞タイトルは10年中山記念(
トーセンクラウン)のみだが、「“馬を手作りでやってる調教師”と言われ、やりがいがあった。幸せでしたね」と、足掛け55年の競馬人生を振り返る。「昔と違う意味で今の調教師はいろんな苦労が多いが、その環境でも個性ある馬づくりに努力してほしい」と後進にエールを送った。