インカンテーションは調子が上向いてきており、まだまだ活躍が見られそう(写真左、撮影:井内利彰)
今週の栗東は、23日の調教開始前の時間帯に雨。とはいっても、馬場が少し湿る程度で時計に影響が出るほどの降水量ではなかった。気温に関しては、相変わらずの暑さなので、そろそろ連戦の疲れが出てくる馬もいるのではないだろうか。
なお先週、8月17日からウッドチップの取り替え工事が行われている。今週までの段階で、向正面から3コーナーまで工事が完了している。
【坂路/4F51.9秒】
23日。一番時計はスペードクイーン(栗東・西村真幸厩舎)の4F50.4秒。その時計の出方は2F目と3F目に11秒台のラップを踏むというもの。走りやすい馬場だからこそ、速いラップを踏めると思うが、4F目は13.3秒とさすがに大きく減速。このラップ変化から、極端に速い時計が出る馬場というわけでもなさそう。
4F目12.0秒以下は10頭もいて、終い重点なら2F25秒以下をマークするのは、そう難しい馬場ではない。ただ、4F時計が速くて、なおかつ4F目が最速になるような加速ラップを踏んでいる場合は別。オアシスクイーン(栗東・佐藤正雄厩舎)は4F51.0秒で、4F目11.9秒で終い最速ラップ。前走大敗後に休養しているが、この時季は動けるのかも知れない。
24日。数字上の一番時計は4F49.5秒があるが、これは放馬によるもの。よって、実質は4F51.3秒のワンパーパス(栗東・谷潔厩舎)が一番時計となる。この日も1F12.0秒以下をマークした馬が3頭おり、馬場状態としては前日と変わりない。
先週の馬場差は「±0.0秒」。今週の馬場差は先週よりも少しだけ速い『-0.1秒』で23日、24日とも記録している。
【CW/5F66.5秒】
23日。ウッドチップの取り替えは向正面なので、あまり影響はないように思える。しかし、追い切り時にスピードを乗せていく場所でもあるため、取り替えたことによって、入りのラップが遅くなっているケースはあったと思われる。
入り部分が少し深めの馬場になっているため、全体時計としては遅め。その分というわけではないが、4F時計、3F時計はかなり速くなっている。暑い時期だけに、意図的に距離を短めにした追い切りにした陣営もあるだろう。
24日。8月10日に宇治田原優駿Sから帰厩したインカンテーション(栗東・羽月友彦厩舎)が併せ馬を行っている。ディープエクシードの1馬身前に出て、先行する形だったが、5F標識を過ぎたところから、12秒台のラップを踏んで飛ばしていく。内を回ったこともあるが、相手が追いつくことができず、最後は楽な手応えで先着。
時計は6F79.5〜5F64.9〜4F52.4〜3F39.7〜1F13.3秒。トップスピードを持続する距離が長くなってきただけに、調子はかなり上向いてきた様子。先週も当欄で取り上げた7歳馬だが、まだまだダート路線で活躍を見せてくれそう。
先週の馬場差は「-0.2秒」。ウッドチップの状態自体は先週と変わりないが、取り替え作業により、向正面が少し深くなっていることを考慮して、馬場差は23日、24日とも『±0.0秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週は23日、24日とも芝馬場での追い切りを確認することができなかった。馬場差は見た目の印象で23日、24日とも『±0.0秒』で馬場差を記録している。
ポリトラック馬場は追い切り頭数が23日、24日を合計して30頭に満たないくらい。今週に関しては、極端に速い時計を出した馬はいない。未勝利の追い切りが多く、馬場状態を判断するにあたって参考になりにくい内容が多かったが、一応、馬場差は23日、24日とも『-1.0秒』で馬場差を記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)