追い切り本数も十分こなし、出走態勢は整ったスーパーフェザー(写真手前、撮影:井内利彰)
先週の京都競馬場は雨の影響を受け、芝馬場は不良の発表。しかし、実際の時計を見ると、不良以上の極悪な馬場で、道中のラップが13秒、14秒でも最後の3Fのラップは速くない。しかし京都芝2000mで行われた2歳新馬戦だけは別。レースラップはラスト3Fが13.0秒、11.5秒、11.8秒だった。
これを勝ったのは先週の当欄でも紹介したグレイル(栗東・野中賢二厩舎)。道中がかなり遅いラップだったことはあるにせよ、極悪馬場で11秒台を2F続けた走りは事実。2着だったストーミーバローズ(栗東・石坂正厩舎)も含め、今回のダメージが後に影響しないようであれば、相当能力が高いと判断してもよいのではないだろうか。
【10月28日(土) 京都芝1800m】
◆スーパーフェザー(栗東・友道康夫厩舎)
2016年セレクトセール1歳にて、2億6000万円で落札された、話題のディープインパクト産駒。本馬は6月に函館競馬場でゲート試験に合格。その後は一旦放牧へ戻って調整し、9月1日にノーザンF天栄から栗東へ入厩している。
栗東での追い切りの動きはあまり目立っていなかったが、その印象が変わったのは10月12日の芝馬場での追い切り。3頭併せの外で手応えよく動いて、5F62.9秒と好時計をマーク。ウッドチップでは少し重苦しい動きだったので、やはり芝の軽いスピードが合うタイプなのだろう。10月19日のCWでは、レースで騎乗予定のM.デムーロ騎手が跨って、デビュー勝ちしているアドマイヤキングに先着。追い切り本数は十分こなしているし、出走態勢は整った。
【10月29日(日) 京都芝1600m】
◆フィールドドウサン(栗東・西園正都厩舎)
半兄に芝で4勝を挙げているオースミナイン(父ディープインパクト)、母系には2010年オールカマーなど重賞3勝を挙げたシンゲン(父ホワイトマズル)がいる血統。本馬は2015年セレクトセール当歳にて、2500万円で落札されている。
9月27日のゲート試験時に2F目11秒台と速いラップを刻んだので、この時点で注目していたが、さらに好印象を受けたのは10月19日のCW。3頭併せだったが、その大外で最後の直線が一気の伸び。1F12.3秒は標準的な馬場であれば特筆する数字ではないが、この日は雨の影響を受けた相当重たい馬場。そこで余裕ある動きでこの時計を出したのだから、さすがにこれを評価しないわけにはいかない。鞍上は秋山真一郎騎手を予定している。
【10月28日(土) 東京芝1600m(牝)】
◆メジャーマジック(栗東・橋口慎介厩舎)
母は現役時代に3連勝で桜花賞に出走して3着。半兄ソーグリッタリング(父ステイゴールド)は芝で2勝を挙げている。本馬は7月12日にゲート試験に合格した後、一旦放牧に出されて、9月13日に栗東へ再入厩している。
当初はCWでの追い切りは動いていなかったが、環境にも慣れてきたのか、その動きが徐々にスムーズになってきた。10月12日にはCWで6F83.2秒、1F12.6秒と水準以上の時計をマーク。乗り込み量としても十分なだけに、胸を張っての東上となりそう。鞍上は三浦皇成騎手を予定。
【10月29日(日) 新潟芝1600m】
◆キングズテソーロ(栗東・矢作芳人厩舎)
半兄にJRA所属時に芝で3勝、ダートで1勝を挙げたジョーオリオン(父ダイワメジャー)がいる血統。日本で活躍した父産駒には2010年日本ダービー、2012年天皇賞秋を勝ったエイシンフラッシュがいる。
本馬について「まだまだ幼い」とは矢作芳人調教師。その言葉を裏付けるわけではないだろうが、10月18日の栗東坂路では4F55.2秒、1F14.1秒。動けないというよりも、もう少し集中して走ることができれば、時計自体はもっと詰まってくるはず。同師は「能力はある」ということなので、一回使うことで変わってくるタイプかも知れないが、メンバーが手薄になりがちなこの番組なら初戦からある程度走れるかも知れない。鞍上は中谷雄太騎手が予定されている。
(取材・写真:井内利彰)