あっさりと直線で抜け出したドンフォルティス(撮影:田中哲実)
今年はエーデルワイス賞が地元北海道勢の掲示板独占という結果で、さらに今回は出走すれば断然人気になると思われたルヴァンスレーヴが回避したことで、地元勢の好走が期待された。しかし結果は、スタートで出負けした中央の2頭、ドンフォルティス、フィールシュパースがいともあっさりと直線で抜け出した。地元勢ではサザンヴィグラスがようやく3着に粘ったまで。
地元前哨戦のサンライズCと同様にディーエスソアラーがレースを引っ張った。サンライズCでは、サザンヴィグラス、ヤマノファイトら有力勢は4番手以降からの追走だったが、今回は差のない2、3番手での追走。サザンヴィグラスなどは行きたがるような素振りを見せていた。それもそのはず、サンライズCの1000m通過が62秒3(推定)だったのに対し、今回はそれより2秒以上も遅い64秒4というペース。ちなみにサンライズCが良馬場で、今回は重馬場だったが、条件戦の走破タイムの比較から、ほぼ同じような時計の馬場だったと考えられる。
サンライズCはさすがにオーバーペースで、レースの上り3Fが42秒5もかかり、メンバー中最速を記録して2着だったハッピーグリンでも42秒0。それを考えると、今回先行した地元勢には楽なペースで、そのまま粘り込んでもいいように思われた。しかし3コーナー手前から徐々に位置取りを上げていったドンフォルティスが直線で軽く追われただけで突き抜け、さらに3コーナーまでほとんど最後方の位置だったフィールシュパースも続いて1馬身半差で2着に入った。
3コーナー過ぎで早め先頭に立ったサザンヴィグラスは、1、2着馬にあっさり交わされてしまったように見えるが、それでも上りは38秒8の脚を使っている。サザンヴィグラスはこれまで1600〜1700mのレースを3戦しているが、それらとの比較でも今回は最速の上り。距離延長でもサザンヴィグラスはこれまでと同じように能力を発揮しており、出負けしながら1、2着となったドンフォルティス、フィールシュパースの能力が一枚も二枚も上手だった。
地元馬だけを見れば、3着サザンヴィグラス、5着ヤマノファイト、6着ハッピーグリンと、サンライズCの上位3頭が順序を変えて上位に入った。しかしサンライズCが1/2、1/2馬身という接戦だったのに対し、今回は約2馬身3/4、5馬身と大きな差がついた。サザンヴィグラスが地元のみこれが6戦目なのに対し、ヤマノファイト、ハッピーグリンは、ともに中央で芝を2戦し、それを含めて9戦目と8戦目。芝で厳しいレースをしてきた反動がそろそろ出たのではないだろうか。