毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
【マイルCS(京都芝の傾向)】
秋のGI戦線は、先週のエリザベス女王杯を除けば、雨との格闘になっている。土曜の京都はまたしても雨。昼すぎに雨→曇に変更されたが、芝は重で終日施行。走破時計を分析しても、雨の影響は完全に残った。8R、10R、11Rと連続して行われた内回り2000mの結果を見れば分かる。8Rの3歳以上1000万下が2分2秒8(勝ち馬トリオンフ)。準オープンの10R・修学院Sが2分2秒0(同ストレンジクォーク)。オープンの11R・アンドロメダSが2分1秒4(同ブラックバゴ)。クラスが上がるにつれて時計も着実に速くなってはいたが、2000m換算で2秒近く要する力のいる馬場。
ちなみに前述3レースの勝ち馬の4角位置は「1番手、4番手、7番手」。8Rと10Rは内寄り。逆に11Rは典型的な外差し。この3戦は内回り使用でマイルCSに直結するかは微妙だが、展開次第でどこからでも台頭可能な舞台といえそうだ。
むしろ、マイルCSの参考になるのは外回り1400mで行われた土曜12R(3歳以上1000万下)か。前半3F36秒7の緩ペースに落とせたのも大きいが、逃げ切ったベルカプリ(5番人気)は内寄りを粘り通し、1番人気サプルマインドをギリギリ退けた。土曜に限れば、内、外の差はフラットの印象だ。
問題は日曜にどう傾向が変わるか? 日曜の京都は終日、曇の予報。稍重、良にまで回復する可能性はあるが、東京ほど好天といえず、芝の乾きは案外スローかも。レースが進みにつれ、外差しが利いていくのか?それとも内寄りの粘りが利くのかも、当日の傾向をチェックしたい。連続開催7週目の傷み気味の芝に加え、水分を含んだ馬場状態。優勝推定タイムは良くても「1分32秒台半ば」か。展開次第では1分33秒台も。ほとんどの馬がこの時計では走れるだけに、上位馬の着差がつかない接近した決着になる可能性もある。