調教師試験に合格した(左から)稲垣幸雄さんと加藤士津八さん(撮影:佐々木祥恵)
平成30年度の調教師免許試験合格者が12月7日午前10時に発表され、同日午後1時から美浦所属2名の記者会見が美浦トレーニングセンターで行われた。
稲垣 幸雄(いながき ゆきお) 昭和52年12月25日生まれ 39歳 出身地 埼玉県
経歴
平成15年 1月 JRA競馬学校 厩務員課程入学
平成15年 7月 美浦・阿部新生厩舎所属(厩務員)
平成15年 7月 美浦・阿部新生厩舎所属(調教厩務員)
平成15年10月 美浦・萩原清厩舎所属(調教厩務員)
平成19年 7月 美浦・萩原清厩舎所属(調教助手)
(志望動機は?)
「オグリキャップブームがきっかけで競馬に興味を持ちました。そののちトウカイテイオーが出てきて競馬に嵌りました。いろいろな競馬の書物を読んでいくうちに、調教師という存在を知りました。
まだ当時は調教師という仕事があるのだなと漠然とした感覚でしかなかったのですけど、高校時代に進路に悩み、その時に競馬の仕事をしたいと決意しました。大学で馬術部に入って馬に乗るようになり、その思いはずっと続いていて、ノーザンファームで2年間お世話になったのちにトレセンに入って調教厩務員、調教助手というポジションで仕事をさせて頂きました。
それぞれやり甲斐のある素晴らしくて面白い仕事でしたが、自厩舎の馬がダービーを勝った時に競馬場に居合わせており、検量室の前で馬を出迎える時に、馬主さん、生産牧場、育成牧場、厩舎の関係者、装蹄師さん、獣医さんなど皆が喜ぶ姿を見て、調教師という仕事は1頭の馬に関わっているすべての人々を結び付けて1つにする仕事なのではないかと思ったのが、調教師試験を受けようと思ったきっかけです。その翌年から試験を受け始めました」
(受験回数は?)
「トータル8回で、2次試験は7回目です」
(これまでで思い入れのある馬は?)
「萩原厩舎で調教厩務員として初めて勝ったバージャラスヒルという馬です。もう1頭は、不慮の事故で亡くなって競馬で走ることはできなかったのですが、バーチャルペアという馬です」
(どのような厩舎にしていきたいか?)
「馬の1つ1つの動作を見落とさずに、動作に対して自分のなすべき行動、取るべき仕事というのをきちんと適格に当たり前にできるような厩舎を作っていきたいです」
(今後の目標は?)
「特別勝ちたいレースはないのですが、1つ1つやるべき仕事をきちんとして、1日1日しっかり自分がやるべきことをやっていけば、いずれ高い目標に届くことができるのではないかと思っていますし、そういう仕事をしていきたいと思っています」
加藤 士津八(かとう しづや)昭和60年2月2日生まれ 32歳 出身地 茨城県
経歴
平成12年 4月 JRA競馬学校 騎手課程入学
平成15年 3月 騎手免許取得 美浦・国枝栄厩舎所属(騎手)
平成18年 3月 美浦・加藤和宏厩舎所属(騎手)
平成21年 9月 美浦・フリー(騎手)
平成23年12月 騎手引退
平成24年 1月 美浦・加藤和宏厩舎(調教助手)
(志望動機は?)
「子供の頃から騎手、調教師を目指したいと思っていました。その中での目標に日本ダービーを勝ちたいというのがありまして、騎手時代には現実問題厳しいなというのがありましたので、すぐに気持ちを切り替えて引退しました。助手という仕事をしながら下の仕事も覚えて、その中で調教師を目指していこうと思いました」
(受験回数は?)
「1次試験はトータルで4回受けました。2次試験は2回目で合格することができました」
(これまでで思い入れのある馬は?)
「騎手時代であれば、初勝利をしたエグジジェという馬です。助手時代では、オーストラリアに遠征してオールエイジドS(G1)に勝ったハナズゴールが1番思い出に残っています」
(どのような厩舎にしていきたいか?)
「スタッフ1人1人がプロ意識を持ち、チームワークもしっかりとしていきたいです。そして目標を明確にして、1人1人がその目標に向かっていけるような厩舎を目指していきたいと思っております」
(今後の目標は?)
「日本ダービーを勝つのが最大の目標です。それを達成していく中で、競馬を盛り上げていきたいと思っております」
(取材・写真:佐々木祥恵)