先週の阪神ジュベナイルフィリーズでは、今年の新種牡馬オルフェーヴルの産駒ラッキーライラックが無傷の3連勝でG1を制覇。というわけで、今週の朝日杯フューチュリティステークス(12月17日・阪神芝1600m)でも新種牡馬の活躍が注目されるところ。

　その中でも中心はロードカナロア産駒。特別登録の時点ではステルヴィオ(美浦・木村哲也厩舎)とダノンスマッシュ(栗東・安田隆行厩舎)の2頭が出走予定。ダノンスマッシュの母父Hard Spun(ハードスパン)は現2歳世代のみ父として日本で種付けされた産駒がいる種牡馬。このあたりに血統の面白さを感じたりもする。

【12月16日(土)　阪神芝1600m】

・ダイアトニック(牡、父ロードカナロア、母トゥハーモニー、栗東・安田隆行厩舎)

　半兄に芝で5勝を挙げたレオプライムがいるが、その父はサクラバクシンオー。本馬の父との共通点がスプリントG1を優勝しているということを考えれば、期待が大きくなって当然。ちなみに2016年北海道セレクションセールで3000万円で落札されている。

　栗東へ入厩してから、ゲート試験、栗東坂路での追い切りと至って順調。「乗り味はいいみたいですし、なにより併せ馬をしても、全く引っかかるようなところがないのはいいですね。そういった意味で(同じロードカナロア産駒の)ダノンスマッシュに似ています」と安田隆行調教師。レースでも騎乗予定のC.ルメール騎手が跨った、12月6日のCWコースでの追い切りは3頭併せの真ん中だったが、きっちり折り合ってゴールでは同入。その時計は6F80.2〜5F65.2〜4F51.2〜3F37.7〜1F12.1秒と速く、数字的にも申し分ない。また1頭楽しみなロードカナロア産駒が安田隆行厩舎からデビューする。

【12月16日(土)　中京ダート1800m】

・コスタネラ(牝、父ステイゴールド、母サンタテレジータ、栗東・大久保龍志厩舎)

　同厩舎で管理される半兄レガーロ(父Bernardini)は未勝利、もちの木賞と連勝し、全日本2歳優駿では2着と2歳からダートの最前線で活躍していた。本馬も同様の活躍を期待させる動きを見せている。

　それを実感した12月7日のCWコースでの追い切り。3頭併せを最後方から追走する形だったが、道中から手応えは楽。最後の直線は先頭だったミッキーガーデンを楽々と交わして、4馬身以上先着。時計は6F79.5〜5F64.8〜4F51.1〜3F37.1〜1F12.2秒だったので、相手が走らなかったというよりもこちらが走りすぎたくらい。やっぱり動くなというのが正直な感想だけに、兄が果たせなかったメイクデビュー勝ちは妹がきっちり決めてくれそう。

【12月17日(日)　阪神芝1800m】

・レディーキティ(牝、父ディープインパクト、母エアティアーモ、栗東・野中賢二厩舎)

　母は現役時代にダートで5勝を挙げており、母系には2007年毎日杯を勝ったナムラマース(父チーフベアハート)がいる血統。本馬は2016年セレクトセール1歳にて、4000万円で落札されている。

　追い切り本数は多くないが、その動きは目立っている。12月7日のCWコースでの追い切りは向正面から入場して、5Fからの3頭併せ。最後方から追走したが、3コーナーからのラップが速くなったこともあり、最後は少し時計を要した。5F66.5〜4F51.9〜3F38.3〜1F13.0秒で強調すべきは52秒を切ってきた4Fの数字だろう。「獣医師にはいい心臓をしていると評価してもらっているし、将来性は豊か。現状、ウッドチップではさほど動けないと思いますが、それでも7日の追い切りはそれなりに評価できるのでは」と野中賢二調教師。鞍上は浜中俊騎手が予定されている。

【12月17日(日)　阪神芝1400m(牝)】

・リーズン(牝、父ロードカナロア、母プリームス、栗東・安田隆行厩舎)

　母系に2016年フローラSを勝ったチェッキーノ(父キングカメハメハ)や2012年東京スポーツ杯2歳Sを制したコディーノ(父キングカメハメハ)がいる血統。今週の安田隆行厩舎は前記紹介したダイアトニックも含め、2頭のロードカナロア産駒がデビューする予定となっている。

　本馬については「同じロードカナロア産駒のオメガラヴィサン(新馬戦クビ差2着)と同じくらい最初から動けそうですね」と安田隆行調教師。12月6日のCWコースでは3頭併せの最後方からゴールで同入。時計は6F86.2〜5F70.0〜4F54.8〜3F40.3〜1F12.7秒と目立たないが、動きはしっかりしている。鞍上は福永祐一騎手が予定されている。

(取材・写真:井内利彰)