先週に比べると、冷え込みも弱まった今週の栗東。とはいえ、冬らしい寒い日は続いており、2月1日は雪の中での調教。ウッドチップ馬場にうっすらと積もる程度だったが、少し視界が悪い中での追い切りだった。

　冷え込みはウッドチップ馬場を硬くして、結果的に時計の出やすい馬場をつくっている。これは31日、1日ともに共通して言えること。以前であれば、冬場の坂路は時計が出にくい状態だったが、現在では路盤整備などがきっちりしているのだろう、きっちりと時計が出ている。

【坂路/4F51.9秒】
　31日。一番時計はリスグラシュー(栗東・矢作芳人厩舎)の4F49.8秒。開門直後という時間帯、馬場中央の通った場所に加えて、武豊騎手が跨っていたことも高速時計が出た要因かも知れない。ただ、全体的に見ても、速い時計が出ており、走りやすい馬場であったことは間違いないだろう。

　1日。降雪はあったものの、馬場状態としては前日と変わりない。一番時計はショウナンタイザン(栗東・梅田智之厩舎)の4F50.2秒。この日もどの時間帯の追い切りを見ても、そこそこ時計が出ている印象はあった。

　そんな中でも、時計以上に迫力ある動きを見せたのが、松籟S(2月11日・京都芝2400m)の出走を予定しているアドマイヤロブソン(栗東・友道康夫厩舎)。デビューから6戦して4着以下はなしの素質馬。追い切りは川田将雅騎手が跨って、ネプチュナイトを追いかける内容だったが、最後の1Fは格の違いを見せつけるような脚力で先着のゴール。時計は4F52.6〜3F38.3〜2F24.4〜1F12.2秒と後半の数字が素晴らしい。

　来週の結果次第ではあるものの、今後は長距離路線を歩んでいく予定。同厩舎シュヴァルグランは天皇賞・春が2016年3着、2017年2着と盾制覇まであと一歩のところまできているが、最大のライバルは同じ厩舎にいるかもしれない。

　先週の馬場差は「+0.0秒」。全体的に見渡すと、今週は明らかに時計が出やすい馬場。よって馬場差は、31日、1日ともに『-0.4秒』で記録している。

【CW/5F66.5秒】
　31日。先週も朝一番は時計が出やすい馬場だったが、その状況は今週も変わらず。数字としては、かなり速いものが出たり、見た目以上に速かったりが数多い。ただ、実際の動きを見ていると、時計と動きがマッチしているものとそうでないものがあり、このあたりは予想する段階できっちり区別していきたいと思っている。

　たとえばディープオーパス(栗東・藤岡健一厩舎)。ロンロネオとの併せ馬を先行したが、時計は6F84.1秒。時計が出る馬場状態を考慮すれば、むしろ遅いくらいの数字だが、追いかけてきた相手が差を詰めようとしても、きっと抜かれることはないだろうと思える安心の同入。2月4日(日)の京都8Rを予定しているが、どんな逃げを見せてくれるか楽しみ。

　1日。馬場状態としては前日とほぼ同じ。この日も時計以上に動きの良さを感じる馬が1頭。それがモズアトラクション(栗東・松下武士厩舎)。現在3連勝中だが、その勢いを感じずにはいられないハツラツとした動き。時計は6F82.9秒と大して強調できないが、6F標識からゴールまで加速ラップを踏み続けることができた。もともとCコースでは動かなかった馬が、ここまで動けるようになったのは本格化の証だろう。

　先週の馬場差は「-0.8秒」。今週は全体的な時計を見渡しても、先週より速い時計が出ている。よって、今週の馬場差は31日、1日とも『-1.0秒』で記録することにした。

【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
　今週の芝馬場は31日に宮徹厩舎の3頭が追い切り。余裕を持って動けていたわりに時計が速かったことを考えると、決して走りにくい馬場ではなかった印象。今週の馬場差は31日、1日とも『±0.0秒』で記録している。

　ポリトラック馬場の追い切り頭数はかなり落ち着いてきた。追い切った馬の状態に違いがあるのかも知れないが、時計は先週までに比べるとあまり出ていない。よって、馬場差としては31日、1日とも『-0.5秒』で記録している。

※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。

(取材・文：井内利彰)