シェーングランツの鞍上は同日姉にも騎乗予定の北村宏騎手(撮影:竹之内元)
今週から開催場が新潟・小倉・札幌に変更となる。一昨年のこの週の新馬戦では札幌でソウルスターリングがデビューし、そこから阪神JFを含む4連勝をあげた。
今週はそのソウルスターリングの半妹など良血馬が多数スタンバイ。ハイレベルな新馬戦となりそうだ。
◆グレイシア(牝、父ダイワメジャー、母クーデグレイス、美浦・栗田徹厩舎)
ホワイトマズル産駒の母は通算4勝を挙げた他、ローズS3着、秋華賞4着の戦歴を残した。3歳上の異父兄にブラックプラチナム(現3勝=1000万下)、いとこにラブリーデイ(G1・2勝=宝塚記念、天皇賞・秋)がいる。
ゲート試験に合格後はノーザンファーム天栄で乗り込み、7月に入ってから再入厩。先週の追い切りでは田辺裕信騎手が感触を確かめた。
「気が入りやすいところに注意しながら進めてきました。牝馬らしく、線が綺麗な体つき。もう少しボリュームアップしてくるといいけど、ジョッキーも『動きはいい』と言ってくれました。いい雰囲気に仕上がっていると思うし、血統的にも期待しています」と栗田徹調教師。7月29日、新潟の芝1400m(牝馬)を田辺裕信騎手で予定している。
◆ミトロジー(牡、父ダイワメジャー、母リードストーリー、美浦・尾関知人厩舎)
兄姉はディープストーリー(2勝)、プレスアテンション(3勝=中央1勝、地方2勝)などが勝ち上がっている。こちらもゲート試験に合格後はノーザンファーム天栄で乗り込み、6月下旬に再入厩。先週の追い切りは1600万下の古馬(ダノンアイリス)を追走して同入と中身の濃い併せ馬を消化した。
「最初に入厩した頃は子供っぽいところがあったけど、だいぶ良くなってきました。ゲートも練習を重ねるに連れて反応が良くなってきたし、仕上がり自体は順調。切れるというより、持続的に脚を使うタイプで距離には融通が利くと思います」と尾関知人調教師。7月28日、新潟の芝1400mをM.デムーロ騎手で予定している。
◆メルキュール(牝、父ジャスタウェイ、母キュー、美浦・戸田博文厩舎)
10歳上の異父兄にブレイクランアウト(共同通信杯)、甥っ子にグランシルク(京成杯AH)がいる。
「手先が軽い走りで切れそうなタイプ。ジャスタウェイとの配合が良かったのか、お母さんの仔としては久々に楽しめそうな馬が出てくれた。性格も素直そうだし、追い切りの動きは申し分ない。新潟の軽い芝、ゆったりと運べる外回りコースは合いそうです」と戸田博文調教師。7月29日、新潟の芝1600mを福永祐一騎手で予定している。
◆アルママ(牡、父オルフェーヴル、母ホエールキャプチャ、美浦・畠山吉宏厩舎)
2016年のセレクトセール(当歳セッション)に上場され、その取引価格は1億8360万円。クロフネ産駒の母はG1・ヴィクトリアマイルを含む重賞5勝の他、阪神JF2着、桜花賞2着、オークス3着、秋華賞3着など一線級で活躍した。
「初仔で大きくはないけど、少しずつ幅が出てきたし、バランスの取れた体つき。オーナーサイドの期待も大きいし、先週の追い切りでは古馬を追走して先着と素質の片鱗を見せてくれました。血統的にも楽しみにしています」と畠山吉宏調教師。7月28日、札幌の芝1500mを柴田大知騎手で予定している。
◆シェーングランツ(牝、父ディープインパクト、母スタセリタ、美浦・藤沢和雄厩舎)
現4歳の異父姉にG1・2勝(阪神JF、オークス)のソウルスターリングがいる。ゲート試験に合格後も美浦で入念に乗り込み、2週前に札幌競馬場へ移動した。先週の追い切りでは重賞ウイナーのゴーフォザサミットに先着している。
「姉と似て少し繊細なところはあるけど、体の使い方がいいし、この馬も走りそうな雰囲気。まだまだ良くなってくると思うし、これから気性面が大人になってくれば将来的にも楽しみです」と大江原調教助手。7月29日、札幌の芝1800mを北村宏司騎手で予定している。
(取材・文:竹之内元)