今週の栗東は8月1日の調教開始前の気温が23℃。最近は25℃が続いていたので、数字だけでなく、体感でも確実に涼しくなった印象だったが、8月2日は26℃でかなり蒸し暑い。1日の日中がかなり暑かったことも影響しているのだろうが、涼しい時期が来るのはもっと先になりそう。
 これだけの暑さにへばる馬がいるのはもちろんで、普段は引っかかるような気性でも今は元気がなくて、すごく乗りやすいという馬もいるとのこと。一見すると、ラップの踏み方がきれいな加速ラップになっているけど、それが好走時とは違うパターンであれば、まずは今回がどんな状況なのか、よく判断して評価するべきだろう。
【坂路/4F51.9秒】
 1日。一番時計は
タガノエルフ(栗東・安田隆行厩舎)の4F50.0秒。これで2週続けて、水曜日の一番時計は安田隆行厩舎ということになったが、それだけ暑い時季に強い厩舎という判断をしてもよいだろう。
 馬場状態としては、先週よりも時計を要している。その根拠として、4F51秒台の頭数が少ないこと、4F目のラップが11秒台は1頭しかいないことが挙げられるが、そもそもこの時季に無理して速い時計を出す馬自体が少ない。そういったいろんな様子が絡んでいての全体時計を判断した方がよいだろう。
 2日。数字上の一番時計は
ブルミラコロ(栗東・大久保龍志厩舎)の4F47.4秒。ただし、この時計は空馬がマークしたものなので、あくまで参考の数字。それにしても、これだけ速い時計は見たことがないし、空馬だったにもかかわず、後半2Fを11.3秒、11.9秒でまとめてくるあたりが馬自身は素晴らしい動きを見せたといったところだろう。
 先週の馬場差は「-0.3秒」。今週の馬場状態は先週と変わりないはずだが、時計自体は少し時計を要している。よって先週と変わらない馬場差は1日、2日とも『-0.1秒』で記録している。
【CW/5F66.0秒】
 1日。一番時計は昨日のトレセンニュースでもお伝えした
エイシンティンクル(栗東・坂口正則厩舎)の6F77.2秒。この数字が二番時計をかなり引き離しており、やはり
エイシンティンクルの
スピード能力の高さを示す時計となっている。
 全体的な時計の出方としては、先週より時計を要している印象。栗東は7月29日が台風の影響を受けて、かなりの雨量だったが、それ以降は雨が降っていない。よって、ウッドチップ馬場がかなり乾燥しており、馬場位置によっては散水が十分に行われておらず、上滑りして走りにくい状態になっていると予測できる。
 この状態は2日も同じ。暑さを考慮して、速い時計を自重している厩舎も多く、そういったことが絡んで全体時計が遅くなっている気もする。
 こんな時ほど、追い切りの動きを重視したいところだが、先週のトレセンニュースでもお伝えした
マドリードカフェ(栗東・荒川義之厩舎)がぐんぐんと調子を上げている。先週よりもテンから速いラップを刻んだが、動き自体は今週の方が余裕を感じるくらい。ゴール前は自ら加速していく迫力ある動きで、時計は6F83.9〜5F67.2〜4F52.4〜3F38.1〜1F12.0秒。新潟ジャンプステークス(8月25日・新潟芝3250m)へ向けて、順調そのものといったところ。
 先週の馬場差は「-1.0秒」。本文でもお伝えしたように、今週は少し時計を要している馬場状態。とはいっても基準時計より遅いということはないので、馬場差は1日、2日とも『-0.4秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
 今週の芝馬場は1日に池添兼雄厩舎の併せ馬が1組あっただけ。雨の影響もなく、程よく走りやすい状態に見えたので、今週の馬場差は『±0.0秒』で記録している。
 ポリトラック馬場の追い切り頭数は先週よりも減。とはいえ、馬場状態が悪いようには思えない。今週の馬場差は1日、2日とも『+0.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)