4回阪神開催の最終週に行われるメイクデビューは話題の良血馬が続々とデビュー予定。なかでも注目度が高いのは、とんねるずの木梨憲武さんが名付け親のディープインパクト産駒、ゴータイミング(牡、母サラフィナ、栗東・松永幹夫厩舎)。

　全兄ジェニアルは今年7月の仏G3、メシドール賞を勝っている。9月20日の坂路ではウレキサイトを追走して遅れる内容だったが、相手は先週の中山芝2000mでデビュー勝ち。松永幹夫調教師は「時計は4F52.7秒と速かったし、現状でも動ける状態に仕上がってきましたね」と手応えを掴んでいる。

　デビュー戦は9月29日(土)阪神芝1800m、鞍上は武豊騎手が予定されている。

【9月29日(土)　阪神芝1800m】

◆サトノルークス(牡、父ディープインパクト、母リッスン、栗東・池江泰寿厩舎)

　全姉に2015年ローズSを制したタッチングスピーチがおり、2017年セレクトセール1歳にて、2億9160万円で落札されている。ちなみに全弟のリッスンの17は今年のセレクトセール1歳にて、2億520万円で落札されるくらい、セレクトセールに上場されれば、常に高額取引される注目馬。

　8月10日のゲート試験に合格した後、時計を出していない時期はあるものの、9月からは栗東坂路とCWを併用した調教内容になっている。9月20日のCWではフォイヤーヴェルクを追いかけて、馬なりで先着。相手が動かなかった印象の方が強いが、手応えに余裕があったことを思えば、これで十分だろう。鞍上はC.ルメール騎手が予定されている。

◆サラミス(牡、父ディープインパクト、母サロミナ、栗東・池添学厩舎)

　全姉サラキアは小倉芝1700mをレコード勝ちし、先日のローズSでは2着に入って、秋華賞への優先出走権を得ている。同じく全姉サロニカはエルフィンSを勝っており、早い時期から活躍できる血統。

　本馬は6月15日にゲート試験を合格した後、一旦放牧へ出されており、9月5日にノーザンFしがらきから栗東へ再入厩している。目立って速い時計を出してくる厩舎ではないだけに、9月20日の追い切りがCWで6F85.4秒だったのも納得。レースでも騎乗予定の川田将雅騎手が跨り、しっかりと追い切った点を評価したいところ。ただ、血統的なスケールを考えれば、もっと動けていいはずなので、そのあたりが実戦でどう出るか。

【9月29日(土)　阪神ダート1800m】

◆ノーヴァレンダ(牡、父ダイワメジャー、母モンプティクール、栗東・斉藤崇史厩舎)

　全姉ブランシェクールはダートで4勝を挙げており、母系にはアドマイヤオーラが勝った2007年弥生賞2着のココナッツパンチ(父マンハッタンカフェ)や朝日杯FS、NHKマイルCで3着の実績があるボンセルヴィーソ(父ダイワメジャー)などがいる血統。

　本馬は5月24日のゲート試験に合格。この時の2F目のラップが11.8秒と速く、スタートセンスの良さを感じた。その後は一旦放牧へ出されており、9月4日にノーザンFしがらきから栗東へ再入厩。9月20日はCWでレースでも騎乗予定の川田将雅騎手が跨って、ビスタストリカとの併せ馬。4馬身近く追走したので、追いつくか心配になる場面もあったが、最後の直線ではグイグイと伸びて、きっちり先着。6F82.6秒という数字は時計を要する馬場状態だったことを考慮すれば、しっかりと動けている。追うごとに動きが良くなっているだけに、最終追い切りの動きにも注目したい。

◆コパノジョウオー(牝、父ゴールドアリュール、母コパノニキータ、栗東・村山明厩舎)

　全兄コパノリッキーは中央、地方合わせて、ダートで16勝。うちG1は地方交流を含めて11勝と素晴らしい成績を残している。現役のコパノチャーリーは今夏の阿蘇Sを勝って、ダートで7勝目を挙げている。兄はいずれも村山明厩舎で管理されていることもあり、どうしても兄との比較を聞きたくなってしまう。

　村山明調教師は「同じ時期のリッキーは追い切りからかなり動いていましたからね。それと比べてしまうと、どうかなというところもあります」と控えめのコメントだが、リッキーがデビューしたのは冬開催の阪神ダート1800mだったので、こちらの方が3ヶ月も始動が早いという意味ではこれで十分かも知れない。個人的にはこれからもっとリッキーに似た走り方ができそうなフォームをしているだけに、いきなりからというよりも使ってどう変化していくかを見ていきたい素材。

(取材・文：井内利彰)